Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

2020-01-01から1年間の記事一覧

放置した痛みは怒りに変わる:自分の痛みにまず気づこう

誰かに向かう怒りが「ちょっと強すぎる」と、自分でもし気づけたら、それは、あなたの中の痛みとつながっているのかもしれません。 誹謗中傷と批判の違いが、さまざまな媒体で語られるようになりました。 しかし、一部には、悪意のある誹謗中傷とも、建設的…

心の守り方:つらいときは、あたたかくてやさしいものに触れる。

最近のSNSの殺伐とした雰囲気がつらくて、ブログのほうへ避難しています。 災害や自死のニュースを耳にすると、サバイバーズ・ギルトからなのか、その報道をずっと追ってしまうのが私の悪い癖です。 他にもそういう方、いらっしゃるでしょうか。 こういうと…

心で感じて話すこと。心のかたち。

感情を感じること。 こころ(ハート)から話すこと。 子どもの頃は知っていたはずなのに(というか、それがすべてだった)、いつしか私たちは、頭で考えて話すこと、論理立てて話すことにとらわれるようになります。 大人になればなるほど、「考えて話しなさ…

力の借り方、貸し方、渡し方

他の人や物の力に頼ることは、「甘え」だとか、「依存」だと言われ、時にネガティブなニュアンスを帯びることがあります。 しかし一方で、「甘え上手」や「依存先がたくさんあること」が、大人には必要だと言われることもあります。 この「甘え」や「依存」…

メンタリストとカウンセラーの違い:心を読むひと、ほどくひと

私は実は、日常場面で自分の職業を明かすのが、あまり好きではありません。 カウンセラーだと名乗った途端に、相手をちょっと警戒させてしまうからです。 「今、心読まれてますか?」 「じゃんけん強いんですか?」 と、聞いてもらえたらまだよいのですが、…

結婚相談所では教えてくれない婚活成功の秘訣:愛着とパートナーシップ

新型コロナウイルス感染症の影響で、婚活やパートナー探しがストップしてしまった。 この時期、そんな方も多いかもしれません。 でも、婚活が思うように進まない間は、「自分のアタッチメントパターンに目を向ける」活動をしてみるのもオススメです。 結婚相…

顔文字を選ぶという体験とカウンセリングの共通点

「感情を言葉にする」は、まだわかる。 「体験を探索する」って、一体なに? 心理学に関心のある一般の方が、臨床心理の専門書を読むと、こんなふうに思うんじゃないかなぁと、よく思います。 専門用語まではいかなくても、独特の表現というのが、専門書には…

違和感に耳を傾けると、心の痛みが見えてくる。

暴力や暴言などではないのに、なぜか力を奪われたり、自分の行動が正しかったどうかと不安にさせられるような言葉って、ありませんか。 今日は、そんな体験に関する記事を書いてみたいと思います。 先日、購読しているメルマガでこんな言葉を目にしました。 …

泣きたくても泣けない人へ

「泣いたところでどうしようもない」 「怒っても何も変わらない」 相手は励ましの意味で言っているのだとしても、こうした言葉には、本来感じるべき感情を「感じても意味がない」というメッセージが込められているような気がします。 目の前の現実が変わらな…

過去から今、そして未来へとつながっていくもの

同業者の集まりや勉強会で、たまに「先生の論文、読みました」などと声をかけてもらえることがあります。 そのとき、執筆者本人は、穴があったら入りたいくらい恥ずかしい気持ちになるのですが、論文であれ、ブログであれ、伝えた言葉であれ、自分が発信した…

季節が変わるように、人も変わる。

ここのところ、クライエントとのカウンセリングで、「時間をかけること」の大切さを感じる出来事が、立て続け起こっています。 カウンセラーは、もちろん、クライエントの時間を無駄にせず、なるべく早く悩みを解消できるよう、カウンセリングの技術を日々磨…

毒親育ちという生きづらさの背景にある、感情と愛着のこと。

毒親という言葉は、慎重に使いたいと思っているけど、この言葉が、多くの人の生きづらさをすくい取り、形にしていて、カウンセリングの門を叩くきっかけになっています。 そのこと自体は、とても大切です。 心の痛みには、名前がつきにくいので、「毒親育ち…

安心できる人の存在は、人生の宝物。

人と人との絆のベースにある「愛着」について学ぶと、私たちがいかに、大切な人とのつながりを維持しようとして、奮闘してきたのかがよくわかります。 自分の感情や欲求を表すことで、大切な人とのつながりが失われてしまうかもしれない。 そんなふうに感じ…

不安に負けないこころ

子どもの頃、よく父親が子守唄を歌いながら、私を寝かしつけてくれました。 レパートリーなんてありません。 いつも同じ曲。 同じフレーズの繰り返し。 時折、裏返る声。 頭の中のカセットテープで、何回でも再生されます。 新型コロナウィルスの影響で、漠…

“違う”から起こること、“違う”から必要なこと。

新型コロナウイルス(COVID-19)による世界的な影響が続き、日本でも都市部に緊急事態宣言が出る中、最近は、この事態から何を学ぶかということを考えています。 近所のカフェは、ここ数日、座席数を減らして、社会的距離(Social Distancinng)に配慮すると…

カウンセラーがクライエントに心配されるということ

このようなご時世なので、オンラインでカウンセリングを行うと、クライエントさんから、 「東京のほうは大丈夫ですか」 「先生、くれぐれもご自愛くださいね」 という言葉をいただきます。 ここのところ、セッションの最初と終わりには、私とクライエントさ…

感情を大切にすると、平凡な人生になる?

今日はちょっと、思いついたことを書いてみます。 先日の記事を書いているときに、ふと思ったこと。 それは、「感情を大切にしていない人生って、昼ドラみたいだな」ということです。 emotion-lab.hatenablog.com ・周りの人に当た散らして、職場で孤立し、…

感情を「大切にする」ってどういうこと?

感情を大切にするということは、「感情のままに行動してもいい」ということではありません。 でも、感情について大学で講義をしたり、twitterなどで呟いていると、多くの人がこの点を誤解していると感じます。 今日は改めて、この点についてきちんと書いてみ…

生きづらさを感じている君へ:今ここにないものを想像する力

人生における生きづらさの放物線を描いてみると、どんな形になりそうですか。 私の生きづらさのピークは、思春期の頃でした。 両親のルーツも地元ではなかったせいか、生まれ育った土地に愛着が持てず、早く大人になって地元を出たいと思っていました。 学校…

【2020.5.9. 追記】自由が丘カウンセリングオフィスのホームページができました。

自分の感情との向き合い方を知って、自分も周りの人も幸せにする。 そのお手伝いをしたいと思っています。 ご覧いただけたらうれしいです。 talktoyourheart.com 2020年5月より、新型コロナウイルス感染拡大防止の最前線で働く、医療従事者の方向けの傾聴サ…

思いやりが生まれるところ

自分と相手が、別々の人間であると認識すること。 この大切さは、一度しっかり義務教育の中で教えるべきではないかと、最近つくづく思います。 「自分と相手が別々の人間だなんて、そんなこと、みればわかる」 という人もいるかもしれません。 でも、目に見…

自己批判によるうつと、承認を求めるうつ。

カウンセリングの専門書を読んでいると、うつには2種類あると書かれています。 自己批判から生まれるうつ。 そして、承認を求めることによるうつです。 自己批判から生まれるうつは、イメージしやすいかもしれません。 内なる批判者(inner critic)によって…

愛されるのが怖い人が、つい描いてしまうシナリオ。

愛されることが怖い。 でも、心の中では、愛されることを求めている。 そんな人は、パートナーシップにおいて、「相手が自分から離れていくシナリオ」ばかり描いてしまうことがあります。 パートナーから、「夜、電話してもいい?」と突然メッセージが来れば…

繊細な人ほど活躍できる理由

先日、ロンドンブーツの田村淳さんが、HSPという概念を知り、長年の疑問が腑に落ちたとツイートしていました。 彼に限らず、活躍している芸能人・著名人の中には、HSPの気質を持つ方は多いのではないかと思います。 HSPとは、Highly Sensitive Personの略で…

本当の気持ちをわかってもらった体験は、一生の財産になる。

「どうして臨床心理士になろうと思ったんですか?」 臨床心理士というのは珍しい職業なので、仕事の話になると、よくそんな質問をされることがあります。 この質問への答えが、今日のタイトルです。 私にも子どもの頃、母親が弟ばかり可愛がっていると感じ、…

頭の時間と心の時間があると思って生きてみる。

先日、こんなツイートをしました。 この記事で紹介されているお母さんの、子どもの感情への対応がとても素敵だったのです。 このお母さんすごいなぁ。「子どもの気持ちに寄り添うというのは、泣いている理由を聞き出すことではなく、安心して泣かせてあげる…

人が変わるときに欠かせないのは〇〇である。

「気づけば変われる」 「気づきは変化をもたらす」 自己啓発やセルフ・カウンセリングの本には、よくこんなふうに書いてあるし、カウンセリングの業界でもそのように言われます。 しかし、カウンセリングを行っていると、気づきだけでは不十分だという実感が…

心の余裕の作り方:誰かに“体験の解説”をしてもらう

クライエントさんが自らの心に負った傷や、その痛みを語るとき、なかなか言葉を紡ぎ出すことはできなくて、ただただ涙ばかりが流れることがある。 カウンセラーとしては、まず、その言葉にならない気持ちが涙となって流れたことを大切にしたい。 「ずっと流…

「怒りについて知ろう」の裏話:父の怒りから学んだこと

先日、「こころの知見を届ける」メディア、MOSSさんに記事を書かせていただきました。 moss-life.jp 感情の理論を学び、私自身も「あの時のあれは、そういうことだったのかな」と腑に落ちることがたくさんあります。 例えば、「この怒りについて知ろう」の記…

インナーチャイルドを癒すのと同じくらい大切なこと。

カウンセリングの中で、クライエントさんと一緒に、見つけ、その声を聴き、抱きしめ、「あなたは大切な人だよ」と伝える存在に、インナーチャイルドがあります。 内なる子ども、子どものパーツ、トラウマを負ったパーツなどとも呼ばれ、私たちの中の“時が止…