先日、ロンドンブーツの田村淳さんが、HSPという概念を知り、長年の疑問が腑に落ちたとツイートしていました。
彼に限らず、活躍している芸能人・著名人の中には、HSPの気質を持つ方は多いのではないかと思います。
HSPとは、Highly Sensitive Personの略で、日本語では「繊細すぎる人たち・敏感すぎる人たち」と訳されています。(子どもの場合は、HSC:Highly Sensitive Childと言われます。)
HSPの特徴をもつ人たちは、最初、カウンセリングでよくこんなふうに言います。
「もっと鈍感になりたい」
「感受性が強い自分が嫌い」
他の人が笑って流すような、失礼な冗談にすごく傷ついてしまう。
ニュースのコメント欄に並ぶ過激な反応に、心が消耗する。
人混みに行くだけで疲れ切ってしまう。
かと思えば、あまり気にせず放った一言が、相手をひどく怒らせてしまう(本質を見抜くため)。
何を言ったら相手が傷つくかが、瞬時にわかってしまう。
彼ら・彼女らの心は、ある意味でとてもむき出しで、無防備(vulnerable)な状態にあります。
心理学者のBrene Brownは、この「無防備さ(vulnerability)」は、悩みや苦しみの根源であると同時に、愛情やつながりの感覚、豊かな創造性や想像力、革新のエネルギーの源でもあると言っています。
自分の心の反応から、目を背けないでいる勇気。
それこそが、弱点を強みに変える力である。
このTEDトークを見て、そんなことを思いました。
これは、HPC/HSCの方に限らず、多くの人に言えることかもしれません。
私たちは、他人が持っているものこそ価値があり、自分が持っているものは、ありきたりで、ありふれていて、どこにでもある価値のないものと思いがちです。
しかし、それは、ただ「自分にとって」ありきたりなだけなのです。
繊細さ、心の脆さや傷つきやすさにフタをせず、そこから生まれてくるものに、じっと目をこらし、耳をすましてみましょう。
自分の心が反応するものや、自分の心の反応そのものに興味を持つと、それが思いの外、人生のコンパスになってくれたり、新しいことを始めるためのアイデアを生み出してくれるものであることがわかるはずです。