Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

幸せが生まれる場所

幸福の青い鳥は、自宅の鳥かごの中にいた。 メーテルリンクの童話『青い鳥』のこんな結末は、冒険や探検が大好きな子どもには何だか物足りないかもしれません。 幸せがどこにあるのか。一体何があれば自分は幸せになれるのか。 大人になっても、人は誰しも一…

すれ違う気持ちーアンビヴァレンスという切なさ

近年の乳幼児研究において、乳幼児は生後たった5週間で、他者が自分に対して情緒的な反応をしてくれないと、不安や不快さを示すことが明らかになっています。 乳児の対人感覚の発達 心の理論を導くもの 作者: マリア・レゲァスティ,大藪泰 出版社/メーカー: …

「心の病」の定義を考え直す。

本日もNY Timesの記事をご紹介します。「Redefining mental illness」 http://www.nytimes.com/2015/01/18/opinion/sunday/t-m-luhrmann-redefining-mental-illness.html?_r=0 心の病を抱えた状態と、心が健康である状態との境界線は、必ずしも明確なもので…

危機は転機。

精神科のクリニックで、日々患者さんにお会いしていた頃から、よく感じていたことです。 危機は転機。 当事者ではないから思えることなのかもしれませんが、病が患者さんに訪れた意味や理由が必ずあると感じられるケースは少なくありませんでした。 病を災難…

うつ病治療には抗うつ薬か、心理療法か

今日は、1月8日のNY Timesの記事「To Treat Depression, Drugs or Therapy?」をご紹介します。 http://well.blogs.nytimes.com/2015/01/08/to-treat-depression-drugs-or-therapy/?_r=0 精神科のクリニックを受診する患者さんの中には、薬に対する抵抗を示す…

記憶という営み

昨日は、阪神淡路大震災から20年という節目の日でした。 河瀬直美監督の映画『沙羅双樹』の中のこんな言葉を思い出していました。 「忘れていいことと、忘れたらあかんことと、ほいから忘れなあかんこと」 沙羅双樹 デラックス版 [DVD] 出版社/メーカー: ジ…

感情と“かかわる”

大人になるということは,感情を理性で律することができるようになることだと、多くの人が思っています。 もっともらしい理屈や説明を、私たちはスポンジのような柔らかい心の盾にして,厳しい現実をやりすごす術を見つけていくのでしょう。 しかし、感情に…

向き合う、ということ

向き合ってもらえない 自分を見てくれない ずっとひとりぼっちだった カウンセリングの場では、そんな訴えをよく耳にします。 向き合う、見る、一緒にいる。物理的なことではなく、心のありようがいつも問題になっているように思われます。 そして、こんなふ…

血のつながり、心のつながり

少し前に「そして父になる」という映画が話題になったこともありました。 年末には家族内での殺人のニュースも流れ、ここ数年、書店には母娘関係の複雑さを描いた書籍が増えてきたように思います。 母を許せない娘、娘を愛せない母 作者: 袰岩秀章 出版社/メ…

No rain, no rainbow.

人生の目標を諦めるとき。 恋を終わらせるとき。 挫折を味わうとき。 私たちのそばには悲しみがあります。 喪失の悲しみ。英語では grief と呼ばれます。 しかし、この grief を生き抜くのは簡単ではありません。 過去にもご紹介したことがあるかもしれませ…

invisible shame

先日、スーパーで母親が子どもを叱り飛ばしている場面に出くわしました。 そのときの、子どもの表情が今でも目に焼き付いて離れません。 彼は、悲しそうな顔をしていたわけでも、不満そうな顔をしていたわけでもありません。 そこにはただ、“何も感じていな…

虹の比喩

新しい年を迎え、blogのタイトルを一部変更しました。 シンディ・ローパーの名曲 True colors にちなんでいます。 大好きな虹のモチーフが、この曲と私を巡りあわせてくれました。 心理学の世界では、感情(emotion)と情動(affect)とを区別することも多い…