Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

声がもたらす言葉の広がり

言葉と感情について書いてきましたが、言葉がどんな声に乗っているか、による感情的な印象は、コミュニケーションやひいては対人関係において、私たちが思っているよりもずっと大切な部分だと思います。 大衆の心を捉える演説に適した声と、恋人に愛を囁くた…

言葉と感情

感情との付き合いかた その④で、感情を言葉で表すことについて触れましたが、感情を言葉にするときには、とりこぼしてしまうもの、こぼれ落ちてしまうものが必ずあります。 大切な感情ほど、言葉にならないものかもしれません。 オフコース ライブ 言葉にで…

演技と感情

感情は、誰よりもまず、自分自身のためにある。 そう前回書いてみて、不意に、人間国宝の坂東玉三郎さんが、演技について書いていらした一節を思い出しました。 AFPが世界に紹介、「人間国宝」の坂東玉三郎さん - YouTube 坂東玉三郎さんといえば、歌舞伎界…

感情との付き合いかた その④

気づく、認める、感じる、に続き、4つめとして、表す、を挙げたいと思います。 感情をじっくり感じて、自己完結できれば十分というケースもあるとは思いますが、自分の中だけに収めてしまうにはもったいない大切な働きがありますし、表すことによってより深…

感情との付き合いかた その③

感情との付き合いかた ①感情に気づく ②その感情があることを認める ③は、その感情を感じる、です。 感じると一言で言っても、いろいろな形があります。 フォーカシングや感情と重視した心理療法では、その感情そのものや、感情にまつわる体験を探索する、と…

感情との付き合いかた その②

その②、ですが、内容的には、ひとつ戻ります(ごめんなさい!)。 認める、の前に、気づく、が必要です。その①は、認めると気づくが、混じった内容になってしまいました。 感情そのものとしてわかりにくい場合は、身体の感じや持続する気分が、感情への入り…

感情との付き合いかた その①

感情とうまく付き合うには、まず、その感情があると認めること。 これは、基本のき、大前提です。 認めるって具体的にどうすること?と思う方は、 「そんなことを感じたんだね、わかったよ」 と心の中で、その感情に声をかける習慣をつけると、いいかもしれ…

ネガティヴな感情と表裏一体にあるポジティヴな感情

例えば、街灯の明かりも心許ない、真っ暗な夜道を歩かないといけないとき。 私たちは、歌を歌ってみたり、いつもよりも早足で歩いてみたりします。 このとき、私たちの心には、暗闇を恐れる気持ちがあります。 でも同時に、歌を歌って声を出したり、いつもよ…

理性と感情の統合〜日本人の場合

統合、というのは、北米を中心に発展する心理療法のテーマです。 前回ご紹介したホ・オポノポノでも、潜在意識と顕在意識、超意識の統合が大切とされている感じがします。 アロハ! ヒューレン博士とホ・オポノポノの言葉 作者: 平良アイリーン,イハレアカラ…

ネガティヴな感情も癒しへの入り口

かわいいもの。優しいもの。ほっとするもの。 そんなものたちに触れたとき、私たちは心がほぐれていくのを感じます。 癒しの瞬間です。 でも、もっともっと深い癒しは、痛い部分に触れたときにこそ訪れます。 人の心がどんなふうに癒されていくのか。 そのプ…

人はなぜ悲しむのか

自分にとって大切なものを失ったとき、私たちは悲しみに暮れます。 喪失とは、とても大きな体験です。 愛する人を亡くしたときには、自分の身体の一部をもがれるような思いがします。 生きがいとしていた仕事を失うことも、未来にも過去にも渡って、自分の人…

羨望は緑色

羨望は緑色。というのは、どこかで聞いた言葉です。 怒りなら赤かなとか、悲しみは青だろうとか、感情と色が結びつくイメージは、ひとりひとりの中にあるだけでなく、多くの人と共有できるものだろうと思います。 感情に色があって、オーラのように見えたら…

大事なのは、怒らないことではなく、関係を修復すること。

感情は往々にして誤解されています。 怒らない人になる、とか、叱らない子育て、とか、怒りは怖いもの、危ないものというイメージをもたれがちです。 しかし、怒りを体験せずに大人になることの弊害もたくさんあります。 例えば、怒りは境界の役割を果たしま…

痛みのコンパス

人間の適応や心理的健康、ウェルビーイングにかかわる、感情の機能と役割を重視する心理療法を学んでいると、痛みのコンパス、という言葉に出会うことがあります。 大切なことは、痛みの奥に隠れている。 痛みが、変容への指針である。 という意味です。 感…

感情のいろいろ〜4つの分類〜

感情をしっかりと感じることが大事。 と、このBlogでは何度となく書いてきましたが、すべての感情が“感じられるべき感情”と言えるわけではありません。 少し専門的な話になりますが、感情は、大きく分けると以下の4つに分けられます。 ①一次適応感情:適応や…

お守りとしてのアファメーション

怒りの感情があってもいい。 怒りの感情は、苦しい感情だけど、まずはそれがあることを認めてあげることが大切。 そう聞いても、日常生活の中では、ついつい忘れてしまいがちです。 そんなときは、アファメーションという短い言葉を、お守りのように手帳や携…

感情筋を鍛える

感情筋。(注:表情筋の誤りではありません) いろんな感情を避けたり抑制したりせずに、しっかりと味わい感じることは、きつい筋トレに耐えて、心の筋肉をつけることに似ていると思うのです。 悲しいときは、思い切り泣くこと。 腹が立ったときには、きちん…

恥の反対は、意地か誇りか

洋画を見ていると、恥や恐怖の感情に対しては、誇りや怒りを喚起して、恥や恐怖の感情を打ち消す、というやり方がよく見られます。 英国王のスピーチ スタンダード・エディション [DVD] 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D) 発売日: 2012/08/02 メディア: DVD …

引き寄せの法則?

感情にまつわるBlogを書き始め、感情についてあれこれと思い巡らす日々を過ごしておりましたら、とある方から、こんな本をご紹介いただきました。 感情労働と法 作者: 水谷英夫 出版社/メーカー: 信山社 発売日: 2012/09/07 メディア: 単行本(ソフトカバー…

感じとる、ということ

しつこく心の中に居座り続ける感情を、無理やり剥ぎ取ろうとしたり、蓋をして無視してしまうことによって、さらに心が傷ついてしまったり、錆びついて鈍くなってしまったりするのは、決して珍しいことではありません。 感情との付き合い方なんて、学校では教…

感情とは何か、という難しい問い

今日は、この本からご紹介です。 感情力―自分をコントロールできる人できない人 作者: フランソワルロール,クリストフアンドレ,Francois Lelord,Christophe Andr´e,高野優 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2005/08 メディア: 単行本 購入: 1人 クリッ…

心のくせは、身体に出る

先日、数年ぶりのエステを体験しました。 全身を、たっぷりのオイルでオールハンドでほぐしてもらって、溜まっていた疲れや淀んだ気や、いろんなものがすっかり洗い流されたようでした。 施術中、一番気になったのは首と肩のゴリゴリ。 肩に力が入りやすく、…

自分に戻るための、ひとりの時間

松岡正剛氏が、月を擁護する月明派なら、鴻上尚史氏は、孤独を擁護する孤高派とでも呼べそうな方です。 孤独と不安のレッスン (だいわ文庫) 作者: 鴻上尚史 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2011/02/09 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 21回 この商品…

感情の預け場所

五感は、感情へつながる入り口です。 目で見るもの、口に含むもの、手で触れるもの、鼻で嗅ぐもの、耳で聴くもの。 今日はその中でも、音楽について書いてみます。 最近は、もっぱらジャズやクラッシックが耳に心地よいですが、かつては尾崎豊が私にとって音…

ポジティブな感情は、分け合うと強くなる

今日は、優しい気持ちやあったかい気持ちにまつわるおはなしです。 感謝の気持ちを示すことだけでなく、相手からの感謝を受け取ることも案外、難しいことです。 例えば、お礼の品を渡されたとき「ありがとう」というのはどこか憚られるような気がして、「気…

感情をコントロールする、よりも大切なこと

スマートフォンからこのblogを見ると、「感情をコントロールする」という広告が出てきます。 こういう言葉が、人の目を引く、ということはつまり、それだけ多くの人が「感情をコントロールするのは難しい」と感じているということです。感情をコントロールす…

感情と星座

感情の星座、と言えば、蟹座です。 私自身も蟹座なので、この表現はあまりに的確で、すぐに覚えてしまいました。 蟹座の人は、よく感受性が強いと言われます。蟹座の支配星が、毎日形を変える月であることからも、とかく気持ちが変わりやすいとか、不安定に…

感情とからだ

前回は、自分を取り戻すための怒りについて書きました。感情をしっかりと感じることは、生き生きと毎日を送ることにつながります。そうわかってはいても、私たちはつい、怒りや悲しみ、嫉妬、羨望、恥といったネガティブな感情を抑えて、感じないようにして…

自分を取り戻すための怒り

前回、怒りと愛について書きました。 このことが、とてもわかりやすく描かれているのが、ムーミン谷の仲間たちの中の「目に見えない子」というおはなしです。新装版 ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)作者: トーベ・ヤンソン出版社/メーカー: 講談社発売日:…

怒りと愛

映画を考察するきっかけになった本のご紹介。。 の予定でしたが、専門的な本なので、もう少しとっつきやすいところから、書いてみたいと思います。 とはいえ、このBlogを書く上で、とても大切な本ですので、いずれ必ずご紹介したいと思っています。 今日は、…