Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングで変化が起こるために必要なこと。

カウンセリングは「いつもと違うことをする場所」です。

いつも自分以外の誰かのことを考えている人は、自分のことを考えてみる。

いつも自分がやっていることを批判的に見ている人は、自分に対して優しい気持ちを持ってみる。

いつも自分ひとりで問題を解決している人は、カウンセラーと一緒に解決してみる。

いつも考えにとらわれがちで、感情や身体の感覚を感じることが疎かになっているなら、自分の感情や身体感覚に注意を向けてみる。

いつも自分を犠牲者だと感じている人は、自分の中にある強さや力に目を向けてみる。

人間の脳というのは効率的にできているので、私たちは、なるべく早く「いつものパターン」を作り出し、維持しようとします。

カウンセリングですることは、維持してきたパターンを変えることなので、そのときに迷いや不安が出てくるのは当然です。

そのときに、迷いや不安を乗り越えて、起こってくる変化を受け入れるには、クライエントさんがカウンセラーを信じていること、そして、起こりつつある変化がよいものであると思える知識や経験が、カウンセラーの側にあることが大切です。

カウンセリングとは、人が変わっていく場所です。

しかし、変化は、人を不安にするものでもあります。

前に進みたくても、目指している道の先が暗がりになっていたら、進むのを躊躇してしまいますよね。

そのとき、クライエントさんはきっと、一緒にいるカウンセラーの顔を見ると思います。

カウンセラーが、暗がりの先に光があると信じているか。それとも、暗がりの先に何があるかわからないと恐れているか。あるいは、暗がりを見つけて、不安で足を止めているのか。

カウンセラーのあり方が、クライエントさんを前に進ませもすれば、その場に引き止めもします。

だからこそ、カウンセラーは自己研鑽を続けます。

カウンセリングの勉強もさることながら、自分と向き合って、自分の弱みや強みを知り、変化していくことの喜びを感じていきます。

特に、カウンセラー自身が、誰かと一緒に変化のプロセスを体験し、それを安心でよいものだと経験があるなら、クライエントさんの変化のプロセスを積極的にガイドすることができるでしょう。

AEDP(加速化体験力動療法)の創始者ダイアナ・フォーシャも、こう言っています。

「カウンセリングを通して、カウンセラー自身も変わっていく。自分も10年前とはまったく違う人間になった」

カウンセラー自身に、変化を受け入れていく柔軟さや素直さがあるかどうか。

カウンセラー自身が、よりよい変化を歓迎し、そこに希望を見い出すことができるかどうか。

カウンセラー側の変化への恐れが、クライエントさんの変化を妨げになってしまっていないだろうか、と自問自答することができるかどうか。

カウンセリングは、クライエントさんと一緒に作っていくプロセスだからこそ、カウンセラー側のこうした準備も、とても大切だと感じています。