Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

感情に触れる前に、〇〇な関係を作る。

4月に自由が丘でカウンセリングオフィスを開業し、少しずつ、専門家向けのカウンセリング(教育分析)やスーパーヴィジョン(SV)の申し込みをいただくようになりました。

SVの中では、「私も、学びたての頃にこういうふうにやってしまっていたな」と、自分の経験を振り返ることも多くあります。

自分の感情や、感情を感じることが怖いと感じる感情恐怖 Affect phobiaという概念があります。

感情恐怖の程度や対象は、人によっていろいろですが、私はおそらく、感情恐怖が人より少ないほうです。

表すことは怖いと感じる場面も多いですが、感じることを怖いと感じることはそれほど多くないという感じでしょうか。

でも、これって…と思ったのです。

というのも、私はジェットコースターが大の苦手です。

遊園地などに行っても絶対に乗りません。怖いばかりで何も楽しくないからです。

一方で、ジェットコースターが大好きという人もいます。

感情を感じることも同じだなと思うのです。

私は、感情のジェットコースターに乗るのは怖くありません。

強い怒りの後に大きな悲しみが来て、それを味わい尽くしたら、また落ち着いた状態に戻っていくとわかっているし、感情が動くこと自体にワクワクするし、感情を感じることで、スッキリする感覚や、自分にとって大切なものが分かる感覚をよいものだと思えるからです。

でも、人によっては、私にとっての遊園地のジェットコースターと同じで、感情のジェットコースターに乗るのが、「怖いばかりで楽しくない」と感じている人もいるのです。

それに気づいてから、「この人が言うなら乗ってみよう」と思ってもらえるような信頼関係を、クライエントさんと作っていくことを、決しておろそかにしてはいけないなと、以前より強く感じるようになりました。

一人でジェットコースターに乗るのは嫌ですが、一緒に乗ってくれる人がいたら。

乗った後に、一緒に「それがどんな体験だったか」話し合える人がいたら。

急降下する前に見えた景色の美しさを分かち合える人がいたら。

あの恐怖も、少しはマシになる。

皆さんは、感情のジェットコースターに乗るのは好きですか?

一人では無理でも、誰かとならできるかもしれません。

その相手として選ばれることは、カウンセラーとしても、スーパーヴァイザーとしても、とても光栄なことだと思っています。