Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

心のお守りとしてのカウンセラー:関係性を提供する

カウンセラーとして、クライエントに提供しているものって何だろう。

専門知識、スキル、時間や場所といった物理的空間。

そういうものももちろんあるけれど、“関係”というのもあると思う。 

 

カウンセリングの時間以外に、不意に昔のことが思い出されてつらくなったとき。

パワハラをする上司と面談をしなくてはならないとき。

自分のことしか考えないパートナーに、今日こそは「別れたい」と伝えるんだと決めたとき。

 

いつでもどこでも、小さなカウンセラーを呼び出して、心にそっとおいてほしい。

そのための関係性が、毎回のセッションの中で育まれている。

 

つらいとき、一人で歯を食いしばって耐え抜くことも強さだけれど、仲間を呼び出して一緒に戦えることも強さだ。

事あるごとに、心に染み付いてしまった“自己批判”を呼び出して、余計に自分を痛めつけ、踏ん張る力を削いでしまっていた人が、“自己批判”の代わりにカウンセラーを呼び出して、理不尽な言葉に立ち向かうことができたなら、それは成長であり、革命なのだ。

 

「本当に怖かったけれど、先生の言葉を思い出した」

「この面接室の風景を思い出した」

心のお守りみたいにカウンセラーとの関係を、普段の生活でもうまく使ってほしい。

独りよがりなんかじゃない。

それは、カウンセラーにとっても本望なのだ。