Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:過去の自分を責めるのをやめる。

世の中にアンフェアなことはたくさんありますが、私たちもつい、自分自身に対してとてもアンフェアな態度を取ってしまうことがあります。

それは、「過去の自分の行動を責める」ことです。

手首に残った傷。親に吐いた暴言。自分の感情を切り捨てたこと。居場所のなさを感じて、つい年下のきょうだいをいじめたこと。

確かにそれは、大人になった自分からみれば、なかったことにしたい出来事かもしれません。

でも、そんな自分を「恥ずかしい」「情けない」「思いやりがない」「我慢が足りない」となじことは、心の傷をさらに広げることになってしまいます。

そんなふうに糾弾されることは、過去の自分にとっても決してよいことではありません。

自分だけで対処しようとした行為(手首の傷や感情を切り捨てる行為)は、他の人に迷惑をかけてはいけないという優しい気持ちから来ていることもあれば、他の人には頼れないという状況を何とか切り抜ける術でもあったでしょう。

外側に出した言動(親への暴言や弱い者いじめ)は、「助けてほしい」「苦しい」という精一杯のサインだったかもしれません。

まずは、過去の自分を責めるのではなく、過去の自分の立場に立って考えてあげることが大切です。

「そうは言っても、過去の自分を見たくもない」と仰る方もいます。

そんなときは、イメージの中で、過去の自分をカウンセラーに任せて見て、いまのあなたは、カウンセラーが過去の自分にどんな言葉をかけるか、ただ一緒に聴いているという時間を持つのもいいかもしれません。

カウンセラーと話をする過去の自分を見ているうちに、過去のあなたの健気さや優しさ、過去のあなたが怖がっていたこと、過去のあなたが小さいながらに守ろうとしていたものがわかってきます。

そうすると、「そんなふうに思っていたのか」「子どもなりに一生懸命考えて、その状況を切り抜けようとしていたんだ」と、今の大人になったあなたも腑に落ちて、なじる気持ちがすぅっと消えていきます。

責める気持ちが消えると、思いやりや励ましといった肯定的な気持ちを持って、過去の自分を見てあげられるようになります。

「誰も助けてくれない中で、よくやっていた」

「あれがあのときの精一杯。恥じることでも、責めることでもない」

「大人の私がもし一緒にいられたら、守ってあげたい」

自分が自分の味方になるってきっとこういうことなんだなと、クライエントさんたちの姿を見ながら思っています。