Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングを受けると決めた人の勇気。

クライエントさんは「勇気のある方だ」と私はよく思う。 理由はたくさんあるが、その一つを先日ツイートした。 親、そのまた親から受け継がれてきた負の遺産を、自分の代で断ち切ると決めた人が、カウンセリングに現れる。素晴らしい勇気と賢明さだと思う一…

怒りよりも悲しみよりも厄介な感情:恥という呪い

人を痛めつける感情の一つに、恥がある。 いじめや性被害、パワハラに遭った人たちの多くが、この感情に苦しめられている。 自分のことが「恥ずかしい」と思うとき、人は小さくなり、背中を丸め、顔を隠して、自分の存在を消してしまいたいと願う。 ユングが…

心のお守りとしてのカウンセラー:関係性を提供する

カウンセラーとして、クライエントに提供しているものって何だろう。 専門知識、スキル、時間や場所といった物理的空間。 そういうものももちろんあるけれど、“関係”というのもあると思う。 1回1時間のセッションだけが、カウンセラーが提供しているものでは…

感情に対する恐れを克服する:カウンセラーとして成長するということ

クライエントの感情に触れるのが怖いというカウンセラーもたくさんいる。「そんなことをしたら、クライエントが壊れてしまう」と、自分の恐怖心をクライエントの自我の脆弱性にうまくすり替えたり。本当に感情に触れられていないのは、どちらなのか。自分に…

カウンセリングで感情を扱うということ:カウンセラーの涙

カウンセリングの最中にクライエントさんと一緒に泣いてしまうこと、私は結構あります。 クライエントさんは、自分も泣いているにもかかわらず、カウンセラーの涙を見て、ハッとするようです。 自分の中の痛みや苦しみが、「本当に痛くて苦しいこと」なのか…

恥(shame)による自己否定感に苦しむ人へのサポート

恥(shame)や自己否定感が強い人には、代わりに怒って、肯定する。 こうしたかかわりがとても大切だと思う出来事がありました。 私の友人が職場でパワハラを受けていたときのことです。 事あるごとに、「お前の代わりなんかいくらでもいる」と言われ、彼女…

映画「ジョーカー」と永山則夫死刑囚について

話題の映画「ジョーカー」を観ました。 バットマンの悪役の誕生秘話という点について語れるほど、詳しくはないので、ジョーカーが体現する恥(shame)の問題と、日本のリアル・ジョーカーとも言える永山則夫死刑囚のことを書きたいと思います。 『ジョーカー…

私のカウンセリング体験

カウンセラーもカウンセリングを受けます。 今回お話しするのは、私のカウンセリング体験です。 私は親のスパルタ教育(もはや死語?)の影響で、なかなか自分に自信を持つことができないタイプでした。 テストでは100点を取るのが当たり前。90点台でもがっ…

「愛してる」よりも大切な言葉。

この映画を観たのは今年の春だった。 ティモシー・シャラメ&スティーヴ・カレルが唯一無二の親子愛をつづる/映画『ビューティフル・ボーイ』予告編 「すべてをこえて愛してる」 映画を観た後、このキャッチコピーがなんだか苦しかった。 息子に必要だった…

“カウンセラー”が感情から逃げないこと。

クライエントにつらい気持ちを体験させることに躊躇してしまう。 感情や体験に焦点を当てる心理療法を勉強していると、よくこんな声を耳にします。 でも、それは、カウンセラー自身も感情の扱いに不慣れなだけです。 つまり、カウンセラーの中の恐怖心がプロ…