Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

怒りを溜め込まない方法:ポートレイアルというカウンセリングの手法

怒りは嫌われがちな感情だ。 カウンセリングのセッションでも、クライエントの体験が深まりにくくなるのは、彼らが自分の中の怒りに気づいたときだったりする。 「今ここで怒ったりしたら、カウンセラーからどう思われるだろう」 「怒るなんてみっともない」…

あなたも『美女と野獣』のベルになれる:自分の感情と向き合ったら、何が起こるのか

『おやゆび姫』然り、『美女と野獣』然り。 自分とは違う醜い生き物が、素敵な王子様に変わる。 おとぎ話によくある筋書きです。 感情や体験に注目したカウンセリングをしていると、この“醜い王子様”たちは、自分自身の中にある、見たくも触れたくもない“醜…

感情の役割と機能:例えば、悲しみについて

「感情なんてなくなってしまえばいいと思っていたけど、どんな感情にも意味があるんだとわかってよかった」 感情の機能と役割について、授業で話すと、学生がよくこんなコメントをくれます。 進化の歴史とは、退化の歴史でもあり、生存に不要なものは容赦な…

フォーカシング的態度とresponsibility

「子どもの頃、親に自分の感情をしっかりと受け止めてもらえなかった。 それはあなたの責任ではない。 でも、それによって今も生きづらさを抱えているとしたら、 それを変化させる責任は、あなた自身にある。」 感情に注目した心理療法の本を読んでいると、…

日常のコミュニケーションと心理療法の技法

先日、とある用事で、データ印刷のお店に行った。 対応してくれた店員さんと、用紙のタイプや加工について相談していたとき、私の背後にある自動ドアから、別のお客さんが入ってきた。 その人は入ってくるなり、店員さんに「○○ってできます?」とだけ聞いた…

FAQ:カウンセラー初学者の場合 ①

カウンセリングを「学んで、実践する」立場から、「学んで、実践し、教える」立場になって、数年が経った。 カウンセラーやセラピストを志す心理臨床家の卵たちと、授業やスーパーヴィジョンで接していると、「見立てを伝え」たり、「病理や問題の成り立ちを…

自分自身でいる、ということの輝き:映画「ある少年の告白」

GWは、映画をたくさんみました。 自分自身でいるということは、決して簡単なことではない。 でも、自分自身でいることは、尊くて美しい。 そんなメッセージが込められた映画は、いくつかありますが、この作品もその一つだと思いました。 映画『ある少年の告…

顔は感情の舞台:その美しさと儚さと力強さ。

心理学者のP. Ekmanは、「顔は感情の舞台である」と言った。 カウンセリングでも、感情と切り離された言葉の代わりに、真の感情を伝えてくれるのは、顔である。 眼差し。噛み締められる顎。引き結ばれる唇。寄せられる眉根。こぼれ落ちる涙。ため息。 クライ…

「感受性が強くていいことってありますか?」という質問から考えたこと。

カウンセリングをしていると、クライエントからいろんな質問を投げかけられる。 「感受性が強くていいことってありますか?」 最近、複数のクライエントから立て続けにこう尋ねられた。 肩を小さくすぼめながら、苦笑しながら、また時には涙ながらに発せられ…

相手の魅力を見つけるのも、カウンセラーの仕事。

カウンセラーの仕事、あるいはカウンセリングと聞くと、人の悩みに寄り添う、話を聞くことで楽になってもらう・気づきを促進する、あるいは、精神疾患を抱える人の治療をするといったイメージが強いかもしれません。 でも、カウンセラーとして、実際にやって…