Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:「追い出されたじぶん」を迎え入れる。

人は、「傷ついたじぶん」を見つけてはじめて、「傷ついたじぶん」を見つけてもらってはじめて、「痛かった」って言える。

ここ最近のセッションを通して、改めて思うことです。

でも、「傷ついたじぶん」を直視することも、誰かに見せることも簡単じゃないから、私たちは「そんな人いません」「傷ついてなんかいません」と、そのじぶんから目を背けてしまいます。

自分自身からも、周りの誰かからも見てもらえず、一人ぼっちで、傷ついたままうずくまっているじぶん。

そのじぶんに、

痛かったね、悲しかったね。

ずっとひとりぼっちにさせてごめんね。

これからは私がいるからね。

大人になって、カウンセリングを始めて、ようやくそう言えるようになったとしても、決して遅すぎることはありません。

ただ、あまりに長く放って置かれたせいで、そのじぶんが簡単には心を開いてくれないことはあるでしょう。

そんなときは辛抱強く、待ってあげたいと思います。

そのじぶんが安心できるあたたかい場所や、美味しいお菓子を用意してあげたりしながら。

IFS(Internal family system:内的家族システム療法)では、この「傷ついたじぶん」はExile(追放された存在)と表現されることもあります。

ロジャースの自己一致の円で言うなら、自己イメージに取り込まれていない体験の中に、そのじぶんはいます。

そのじぶんに、「おかえり」と言ってあげること。

「今までごめんね」と、抱きしめてあげること。

それはカウンセリングのプロセスの中でも、大きなターニング・ポイントとなるような特別で大切な瞬間です。

(この記事で400本目の投稿となりました。いつも読んでくださって、ありがとうございます!)