「海外の研究によると、人間の基本感情は、怒り・恐怖・悲しみ・嫌悪・喜びの5つ」
と知った心理学を勉強していない友人が、
「日本では、喜怒哀楽って言うよね。ポジティブ感情が2つ入っているから、こっちのほうがいい」
と言うのを聞いて、なるほど!と思ったことがあります。
楽は、「楽しみ」でもありますが、comfortableの「楽」でもあるでしょう。
カウンセリングをしていると、このcomfortableの「楽」を感じることを、自分に、自分の身体に許してあげることから、変化のプロセスがぐーんと進むことがあります。
私のオフィスにいらっしゃるクライエントさんの中には、真面目だったり、自分の気持ちより他者の気持ちを優先したり、力を抜くことが苦手だったりで(もちろん、これらはすべて、その方が生き延びてくるために必要なことでした)、自分を「楽」にさせてあげること、ほっとして安心した自分を感じることに、慣れていない方もたくさんいます。
しかし、この「楽」な感じが一度わかると、その感覚が、自分にとって心地よいものを選択したり、自分らしいものが何かを感じたり、本来他者が担うべき責任を自分が担いそうになっていないかを確かめたりするためのヒントになります。
comfortableの「楽」は多くの場合、身体が発する「yes」という声なのです。
「それでいいよ」
「その選択が正しいよ」
「自分らしいのはそっちだよ」
緊張して、他者の顔色を伺いながら、正解を探すのではなく、自分の中に「楽」があるかどうか。
これがわかると、迷ったときにはそこに戻ればいいという安心感も生まれます。
カウンセリングでは、この「楽」を身体の中に探して、見つけたらその「楽」をじっくり味わい、この「楽」の感覚を身体に覚えてもらいます。
この作業は、何度でも繰り返していい、大切なものです。
私たちは、「楽をしてはいけない」と教わってきたかもしれません。
でも、今振り返ると、あれはとても残念な間違いだったなぁと思います。
子どもの頃の自分に、子どもだったあなたに、歯を食いしばって一人で頑張るのではなく、支えてくれている人たちの存在を感じながら、まずはほっとしていいんだよと言いたくなります。
「楽」は、甘えでぐずぐずになることではなく、自分の中にしっかりとした足場があると知ることなのです。