近頃とみに、「ブログ読んでいます」とクライエントさんに言っていただけることが増え、更新回数を減らしたことをちょっぴり後悔しています(!)。
本当にありがたいことです。
ひとまず、今年はこのペースでやってみますので、引き続き更新を楽しみにしてもらえたら、大変うれしいです。
さて、今日は、私が学んでいる加速化体験力動療法(AEDP)の本を紹介します。
著者は、Ronald J. Frederick。
一般の読者向けに書かれているので、心理学の本としては読みやすいです。
こちらの本のテーマは、Affect phobiaとその克服について。
無意識のうちに恐れ、避けてしまっている感情を、しっかり感じられるようになるための4つのステップが紹介されています。
愛着や情動神経科学といった専門的な話も出てきますが、全体を通じてとても読みやすく、特に魅力的なのは、やはりカウンセリング場面のやりとりです。
例えば、Ronのこんな素敵な介入の例があります。
「その笑顔って、緊張や不安を和らげるためのクッションになっていると思うんですけど、ここではそれをやめてみたとしたら、どんな気持ちが出てきますか?」
クライエントさんが、つらい体験を笑顔で語る。
こうした場面は、カウンセリングの中でよくみられます。
でも、そこでは、何か別の気持ちが笑顔によって覆い隠されているのです。
Ronの言葉を借りると、その笑顔は、外側でも内側でもクッションの役割を果たしています。
話を聴いているカウンセラーに対しても、また、話をしているクライエントさんの中でも、ある感情(例:悲しみ、傷つき、怒り、嫌悪など)が抑えられ、感じ取りにくくなっています。
正直なところ、私は、クライエントさんの笑顔に介入することにまだまだ躊躇します。
私自身も、笑顔で感情を和らげる癖があるのを自覚していますし、
「笑顔になるのをやめてみたら、どんな気持ちが出てきますか」
とストレートに聞くのは、私にとってもおっかなびっくりな作業でした。
しかし、このRonの言い方を本の中に見つけたとき、
「あ、こういう言い方ならできそう」
と、自分の中の不安がぐっと小さくなるのを感じました。
笑顔という形で、防衛するのをこの場ではやめてみようと提案することで、クライエントさんを傷つけることになりはしないかという心配は、心の中から完全に消え去ったわけではありません。
しかし、普段その笑顔のクッションで和らげられ、感じられないままになっている感情を、ここで感じてもらわないで、いつ感じてもらうのかという、カウンセラー魂も、ふつふつと滾ってくるのです。
Ronの言葉は優しいので、日本人のカウンセラーにとっても取り入れやすい介入の言葉がたくさんあるように感じます。
(とってもおすすめなので、2回貼りました・笑)
私も空いた時間に、ちまちま読んでいます。よろしければ是非、お手にとってご覧ください。