Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:「何もしない」で一緒にいる。

カウンセリングをしていると、たまに、私の中の悪いくせが顔を出すことがあります。

それは、クライエントさんと一緒になって、もしくはクライエントさん以上に、頑張りすぎてしまうこと。

カウンセリングには、休みたいと言えない方、自分の時間が取れない方、何もしないことに罪悪感を覚える方も、たくさんいらっしゃいます。

その中で、カウンセラーと一緒に、カウンセリングの中でも頑張ることは、時に、クライエントさんの日常でのパターンを繰り返してしまうことになる。

それでもつい、「よくなる」ことを目指して、私のほうが気負いすぎてしまうことがあります。

そんなとき、私に方向転換を促す気づきを与えてくれるのも、実はクライエントさんなのです。

日常で頑張りすぎて、心がすり減ってしまうときには、「何もしない」時間が必要です。

何もしないでいることを責められず、何もしないでいることも共有でき、何もしないでいることを喜ばれ、歓迎される。

「何もしていないあなたといることが、私にとっても心地よい時間です」

と伝えてもらえる時間。カウンセリングは、時にそういう時間・空間として機能します。

それは、大人になると、なかなかないことかもしれません。

でも、私たちの心は、ただ眠っているだけの赤ちゃんや動物を見ていると、ほっとゆるんでいくものです。

風に流れていく雲や、風に揺れる木々を見ているだけで、心はすーっと晴れていきます。

何かしていないと価値がない。

この言葉がいかに、自然なありように反しているかを教えてもらえるようです。

何かしていないと価値がない。

役に立てなければ、いる意味がない。

今度、心の中にそんな声が聞こえて来たら、「本当にそうかな?」と尋ねてみてください。

私がそう聞いているところを、イメージしていただいてもいいかもしれません。

私たちの心は、何もしていない存在に触れたり、何もしていない時間を過ごすことで、ほっとして、癒され、元気になっていきます。

そんなメンテナンスモードの時間があるからこそ、何かをするためのエネルギーが、心と体に戻ってくるのです。