Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

「考えたら答えが出る」という誤解

考えても考えても出て来なかった答えが、まったく関係のないことをしていたときに、パッと出てくる。

そんな経験をしたことはありませんか?

机に向かってウンウン唸っているときではなく、趣味を楽しんでいたり、家族や友人と笑い合っていたり、お風呂に入ってリラックスしているときなどに訪れる、そのヒラメキと同じような「気づき」が、カウンセリングでも起こります。

私たちは、家庭や学校、塾などで「考えて答えを出す」ことを学んで、大人になります。

しかし、人生の答えは、いつも「考えて出てくる」ものではありません。

挑戦や決断、選択といった大きな出来事だけではなく、日々生きていくということは、すでに用意されたテストの答えを導くこととは別物です。

それなのに、私たちはどこかで「正しい生き方」があるかのように思い、その正しさから自分が外れていないか、このままでは不幸になってしまうのではないかと、焦りや不安を作り出します。

私たちは、確実な正解を出すために生きているのではありません。

生きるということは、不確かなことに耐える(あるいは、それを楽しむ)営みです。

そして、その不確かな世界で、自分の行動の指針になってくれることの一つに、感情があります。

何が好きで、何が嫌いか。

何をしていると楽しいか。

ゆううつになるのはどんなときか。

リラックスできるのはどんなときか。

いろんなことに前向きにチャレンジしようと思うとき、それを後押ししてくれる感情は何か。

よく言われるのは、安心感を感じられると、好奇心が出てくるというものです。

失敗を恐れて、頭でぐるぐると考えてばかりいると、正解探しの袋小路から抜け出せなくなります。

でも、安心感を感じられれば、「失敗してもいいからやってみよう」「失敗したら、なぜ失敗したかを分析して、次に進めばいい」という好奇心や度胸が出てきます。

さらに、安心してリラックスした状態になると、人は視野が広がり、いろいろな情報や可能性をキャッチしやすくなるのです。

考えてばかりいると、不安やリスクばかりに目が行ってしまう。

そんなときは、いい香りのするお茶でも入れて、深呼吸してみましょう。

窓から外の景色を眺めてみるのもいいかもしれません。

「考える」モードから「感じる」モードになることで、人生を乗り切っていくアイデアが生まれやすくなるはずです。