考えても考えても出て来なかった答えが、まったく関係のないことをしていたときに、パッと出てくる。
そんな経験をしたことはありませんか?
机に向かってウンウン唸っているときではなく、趣味を楽しんでいたり、家族や友人と笑い合っていたり、お風呂に入ってリラックスしているときなどに訪れる、そのヒラメキと同じような「気づき」が、カウンセリングでも起こります。
私たちは、家庭や学校、塾などで「考えて答えを出す」ことを学んで、大人になります。
しかし、人生の答えは、いつも「考えて出てくる」ものではありません。
挑戦や決断、選択といった大きな出来事だけではなく、日々生きていくということは、すでに用意されたテストの答えを導くこととは別物です。
それなのに、私たちはどこかで「正しい生き方」があるかのように思い、その正しさから自分が外れていないか、このままでは不幸になってしまうのではないかと、焦りや不安を作り出します。
私たちは、確実な正解を出すために生きているのではありません。
生きるということは、不確かなことに耐える(あるいは、それを楽しむ)営みです。
そして、その不確かな世界で、自分の行動の指針になってくれることの一つに、感情があります。
何が好きで、何が嫌いか。
何をしていると楽しいか。
ゆううつになるのはどんなときか。
リラックスできるのはどんなときか。
いろんなことに前向きにチャレンジしようと思うとき、それを後押ししてくれる感情は何か。
よく言われるのは、安心感を感じられると、好奇心が出てくるというものです。
失敗を恐れて、頭でぐるぐると考えてばかりいると、正解探しの袋小路から抜け出せなくなります。
でも、安心感を感じられれば、「失敗してもいいからやってみよう」「失敗したら、なぜ失敗したかを分析して、次に進めばいい」という好奇心や度胸が出てきます。
さらに、安心してリラックスした状態になると、人は視野が広がり、いろいろな情報や可能性をキャッチしやすくなるのです。
考えてばかりいると、不安やリスクばかりに目が行ってしまう。
そんなときは、いい香りのするお茶でも入れて、深呼吸してみましょう。
窓から外の景色を眺めてみるのもいいかもしれません。
「考える」モードから「感じる」モードになることで、人生を乗り切っていくアイデアが生まれやすくなるはずです。