Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:自分の中のニーズや願望に対する誤解を解く。

つらい気持ちになることは、なるべく考えないようにする。

日々のストレスに対処するために、こうした方法を取っている方もいるでしょう。

私たちは、そのつらい感情に一体どんな役割があるのか、そのつらい感情を和らげるためにはどうすればいいのかということを学ぶには、少し忙しすぎるのかもしれません。

できるだけ早く、シンプルなやり方で、感情を抑えるには、「考えない」「無視する」「感じないようにする」のが手っ取り早いのです。

でも、たまには、自分のために少し時間を取ってあげてほしいなと思います。

一人では感じることの難しいつらい気持ちも、誰かと一緒になら感じることができるかもしれません。

例えば、カウンセリングの場では、つらい気持ちを感じた場面に戻って、そこで誰かにして欲しかったことや、昔の自分にしてあげたいと思うことを、イメージの中で一緒にやってみるという方法で、長く続くモヤモヤや繰り返し呼び起こされるつらい気持ち、怒りなどを解消していきます。

つらい気持ちは、心の深いところに眠っています。

芋掘りをするときに、土の中ならミミズや幼虫が出てきて驚いてしまうように、つらい気持ちを感じようとすると、そこには不安や恐怖、恥などの障害となる感情も一緒に出てきます。

そうした気持ちを脇に避けていきながら掘り進めて行くと、ようやく「本当に感じ切りたい気持ち」が出てきます。

それは、感情だけではなく、ニーズや願望という形をしていることもあります。

「愛されたかった」(それが叶わなくて悲しかった)

「誰かに一緒にいてほしかった」(誰もそばにいてくれなくて寂しかった)

「大丈夫だよと言ってほしかった」(不安にさせられるのでつらかった)

ニーズや願望に、つらい気持ちがくっついていると、私たちはこのニーズや願望も一緒に心の深いところに沈めてしまいます。

ニーズや願望がつらい気持ちの原因だと、誤解してしまうからです。

しかし、つらい気持ちが起こるのは、ニーズや願望があるからではなく、それらを「受け取ってもらえなかったこと」が原因なのです。

そこで、イメージワークを通じて、そのニーズや願望が「何もおかしくない」「そう思って当然だ」「それはすごく自然なことだ」と認めてあげたいのです。

モヤモヤや強すぎる怒り、いつまでも消えないつらさは、この作業を減ると不思議なほどすうっとなくなります。

安堵感、軽くなる感じ、あたたかい気持ちなどに置き換えられて行くのです。

私は、感情を感じないように無視することで見えてくる世界よりも、感情を感じきった先に見えてくる景色が好きです。

それが、私がカウンセリングをするときに、感情を大切に考えている理由の一つです。