「カウンセリングに入ったことないけど、占いならある」
そういう方のほうが、実際多いのではないかと思います。
カウンセリングはまだまだ敷居が高く、いつでも気軽に利用できる場にはなっていません。
「心を病んだ人が受けるもの」
「問題のある人が行くところ」
というネガティブなイメージも、払拭されたとは言いがたいのが頑丈です。
一方で、年末に書店へ行くと、来年の運勢が書かれた本がたくさん並んでいます。
特に、現在のような先が見えない不安な時代、多くの人が占いに頼り、生き方の指針を見つけたいと思うのもわかる気がします。
では、カウンセリングを受けることで、私たちが得られるものは一体何なのでしょう。
占いと違うところで言えば、それは「人生を歩む上でのコンパス」ではないかと思います。
占いや適性診断、周りの大人たちからの助言などは、人生における「地図」のようなものです。
「こういう道を行けば、ここに出る」という指針です。
今は、さまざまな情報に携帯からアクセスができるため、「地図」となる情報が多すぎて、時には混乱してしまうこともあるほどです。
そんなとき、自分の心や自分の意思、自分の本当の気持ちとつながっていれば、進む方向を見失わずにいられます。
つまり、自分の心の中に、その地図に書かれた道をどう進むかというコンパスが必要なのです。
自分の人生のコンパスが指している方向がわかっていれば、親や周りの大人たちがくれた地図には乗っていない道にも、進んでみようと思わせてくれます。
誰もが「うまく行くはずない」と反対する方向にも、活路を見出す力をくれます。
外側からやって来る情報のうち、自分にとって有益なものがどれで、助けにならないものが何なのかを見分けることもできます。
人生のコンパスとはつまり、自分と対話する力、自分を知る力です。
「傷ついた人が癒しを求める場がカウンセリング」
「カウンセリングは問題を抱えた人が行くところ」
といったカウンセリングに対するネガティブなイメージは、ここ数年で大きく変わっていきそうな予感がしています。
「カウンセリングとは、自分を知り、自分と対話する方法を学ぶための場所」
「カウンセリングとは、自分の人生のコンパスを手に入れるための場所」
「カウンセリングを受けている人は、自分としっかりと向き合う努力をしている人」
今年も残りわずかですが、来年に向けて、カウンセリングに対するイメージを、こんなふうに変えていけるように、力を尽くしていきたいと思います。