カウンセラーとの間で、安全・安心な感覚を感じると、クライエントさんは「今まで気づかなかった自分」に触れることがあります。
「あぁ、私ってこんなに頑張ってきたんだな」
「あぁ、僕、なんだかとても疲れていたみたいです」
「この悲しい気持ちは、ずっと自分の中にあった気がします」
こんなふうに、今まで気づかなかった自分に気づくことで、自分に必要なものがわかります。
頑張った自分には承認を。
疲れていた自分にはいたわりを。
悲しい気持ちには思いやりを。
カウンセラーからそれらをそっと差し出すこともあれば、クライエントさん自ら、自分に与えてあげることもあります。
日々生きていれば、お腹がすくのと同じように、私たちの心も「すく」んだと思います。
お腹がすけば、ぐうと音がなったり、どうしようもない空腹に襲われたりするので、私たちは「あ、何か食べよう」と思います。
しかし、心が「すいた」とき、私たちはどうしているでしょうか。
「これぐらいのことで」
「我慢しなきゃ」
「甘えちゃダメ」
そうやって、心が「すいた」感覚をないがしろにしてしまっていることの方が、ずっと多いのかもしれません。
「小腹がすいた」と、おやつに手を伸ばすように、心からの声をよく聴いて、必要なものをそっと差し出してあげれば、満たされた心はすーっと穏やかになります。
「これぐらいのことで」
「我慢しなきゃ」
「甘えちゃダメ」
普段はそんな声ばかりが聞こえて、この声の振り払い方が自分ではよくわからないというとき、カウンセリングでその最初のステップをお手伝いします。
スムーズに行くと、傾向としてだいたい3〜5回くらいで、クライエントさんも自分自身との向き合い方がわかるようになり、セッションの中でもたくさんの気づきが起こってきます。
そして、10回前後になる頃には、ご自身でも変化を実感されるようになり、「こういう感じでやっていけばいいんだ」という自信が芽生えてきます。(もちろん個人差はあります)
そうすると、ここからのパターンはいろいろです。
もっと自分をたくさん知っていきたいと、カウンセリングに対する好奇心ややり甲斐を感じられる方。
ストレスの多い状況下におられるため、「この感覚を忘れたくない」と、よりカウンセリングの時間に意義を見出してくださる方。
達成した変化に十分満足された後も、メンテナンスや振り返りの時間として、間隔をあけて通われるという方も、当オフィスには多くいらっしゃいます。
心が「すいて」いないかどうか。
自分の心の状態に気づき、対処するコツを一緒に見つけてみませんか。