白状しますが、専門家向けの研修の場で、カウンセラー同士でロールプレイをするときに、
「その気持ちを一緒に感じてみてもいいですか?」
と言ったり・言われたりするの、実はけっこう苦手でした。
カウンセラー役の人から「一緒に」って言われることで、自分の体験を取られるような恐怖があって、嫌悪感も出て来てしまい、途端に自分自身の体験にとどまれなくなるからです。
自分が「一緒に」という言葉に対して、こういう体験をするので、クライエントさんにも「一緒に」というのは難しかったのです。
会ってすぐの人に安心感を感じるのが難しいという当然の理由も思い浮かびますが、私自身のアタッチメント・パターンも大いに影響していたと思います。
「一緒に」と言ったり・言われたりすることに、安心感が持てるようになって来たのは、ごく最近のことです。
今になって振り返ると、「一緒に」と言われることが苦手だった自分も、それが平気になった今の自分も、その言葉のインパクトは同じくらい強く感じていたのだなということです。
「一緒に」と言われることが、自分に大きなインパクトを与えることだから、言われたくなかった。
「一緒に」と言われることが、自分に大きなインパクトを与えることだから、クライエントさんにも伝えたい。
「一緒に」と言われるときに、自分がほどけていく感覚。
それが、恐ろしくて嫌なものだというのもわかる。
それが、身体の芯から安心するものなのだということも、わかるようになった。
カウンセラーとしての私も、まだまだ人間として変わっていけるし、変わっていく必要があるのだろうと思います。