Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

怒りは「原因」ではなく「結果」なのかも。

「怒りっぽいのを何とかしたい」

そう言ってカウンセリングにいらっしゃる人には、必ず怒りの感情コントロールに問題があるかというと、そうではないような気がします。

「怒りの感情をコントロールできない」は、表面に浮かび上がっている状態でしかなくて、その背景には、疲れや不安といった別の原因があることも多いのです。

疲れているなら、その解決策はゆっくり休むことです。

その人を怒りっぽくさせている不安の根っこに、何があるかを探ることです。

何が正しいのかわからない子育てや、経済的な困窮が不安の原因かもしれません。

もしそうなら、不安になっても当然であると、その不安を認めたり、不安になっている自分に「それは当然のことなんだよ」「不安になってもいいんだよ」と言ってあげることが大切です。

会社員という役割、親という役割、妻・夫という役割、またそれらに伴う責任。

そういうものから解放され、ふっと自分自身に戻る時間を、私たちはどれだけ持てているでしょうか。

年中無休の主婦業は、休みたくなって当然です。

毎日、満員電車で通勤するのもほとほと嫌になるでしょう。

反抗期の子どもをかわいいと思えないことだってあるはずです。

万全の準備をして臨んだと思ったプレゼンが、大失敗に終わることもあります。

私たちは、100%期待に応えられるようにはできていません。

疲れて何もしたくない日もあるし、自信がなくなることだってあるし、責任から逃げ出したくなることも、相手と向き合いたくないと思うこともあるのです。

自分自身の弱さと折り合っていくこと。

誰かの弱さにそっと目を瞑ること。

自分が頑張っていると、誰かが休んだり、何かにきちんと向き合っていない人をみると、腹が立つこともあるかもしれません。

そんなときは、自分の肩をそっと叩いて、こう訊いてくれる誰かをイメージしてみましょう。

「ひと休みする?」

キリキリ・カリカリしてしまうのは、あなたが全力で走ろうとしているからかもしれないのです。そして、そんなあなたに誰も目を止めてくれないからかもしれません。

「よく頑張っているね」

「ちょっと休もうよ」

そんな声を、誰もが必要としているのかもしれません。

自分にそう言ってみて、または、誰かからかけてもらったこの一言で、心がすぅっと軽くなる感じがすれば、それが一番の「アンガー・マネジメント」です。