AEDP(加速化体験力動療法)を一緒に学んでいる仲間との勉強会では、
「『今、ひとりぼっちだと感じていませんか?』って、クライエントさんに聞いてみたいね」
という話をすることがあります。
カウンセラーと一緒にいるのに、ひとりぼっちだと感じるのだろうかと、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私たちは、誰かと一緒にいても簡単にひとりぼっちになります。
物理的に誰かがそばにいることと、誰かと一緒にいると感じられることは、決してイコールではありません。
カウンセラーは、このことを知っておく必要があります。
クライエントさんの目の前に座っていても、
「私もここにいますよ」
「私がここにいて、あなたのことをサポートしています」
「私と、今ここで、一緒にいるのを感じられますか?」
と、言葉にしてクライエントさんに伝えない限り、クライエントさんにカウンセラーの存在感を感じてもらうことが難しい局面というのも、カウンセリングの中にはあるのです。
でも、そうして言葉にするだけで、クライエントさんの中の一人ぼっちであるという感覚が、薄れていくこともあります。
「そう言ってもらって、改めて先生の存在を感じられました」
「今ここでは、ひとりぼっちじゃないですね」
と言ってくださるクライエントさんの目に、うっすら涙が浮かぶこともあります。
ひとりぼっちじゃないと感じられるのは、心強いことです。
こういう瞬間は、カウンセリングでしかなかなか味わえない、貴重な体験かもしれません。