Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

心の病は恥ではない。

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一つ前の記事に貼り付けていた動画ですが、この動画の紹介のために一つ記事を書こうと思い、修正しました。

カウンセリングを生業にしていると、時々「メンタル弱い人の話聞くなんて大変そう」と、同情されることがあります。

この言葉には、一般的は精神疾患に対する無知、偏見、誤解がよく反映されていると思います。

私は、精神疾患はかさぶたのようなものだと思っています。

過酷な環境、つらい対人関係、自分の価値を信じられなくなるような体験。

そういうものに一人きりで直面し、対処しようとして、傷ついてボロボロになった心と身体にできたかさぶたです。

傷つく前の皮膚のように、肌色で滑らかなものではなくなったかもしれません。

赤黒く膨らんだ様子を「みっともない」と思うかもしれません。

でも、かさぶたは、傷を治すためにできるものです。

無理に剥がしたりしないで、時間をかけることも大切です。

治りかけのかさぶたを剥がそうとする乱暴な言動から、距離をおくことも大切でしょう。

心の傷から生まれる精神疾患というかさぶたは、確かに、身体についた傷とは治し方が違います。

ゆっくりでいいので、傷つきの体験を消化して、傷つきを自分の一部として受け入れること。そして、他者とのつながりを感じられること。

このふたつが特に大切です。

一番いけないのは、かさぶたを恥じて、隠すこと。かさぶたのある自分自身を恥じて、周りの世界とのつながりを絶ってしまうことです。

動画の男性ほど、堂々と自分の病について話すことは難しいかもしれません。

でも、信じてください。心の傷も精神疾患も、まったく恥ずべきではないものだと。

それらは、あなたの命を守った防波堤、あなたが生き抜いてきた証なのです。