バファリンの半分は、優しさでできてている。
そんなキャッチコピーが昔ありましたが。
私の自己肯定感の半分は、誰かがくれた言葉でできている。そんな気がします。
今でも、周囲の無理解や冷たいジャッジから、心を守ってくれる言葉に出会うと、うれしくなります。
例えば、『曇天に笑う』というアニメの中のこんなセリフ。
くだらない。泣けば弱いなど、誰が決めた。
お前しか知らない瞬間がある。
その思いを抱えて泣いておけ。
しっかりするのは、その後でいい。
心に寄り添ってくれる言葉を握りしめていられたら、ひとりじゃないのだと感じることができます。
自分を理解してほしい相手(例えば、親や友人、身近にいる人たち)と心が通じ合わなくても、この息苦しい世界の外に、この痛みをわかってくれる人がいるのかもしれない。
そんな希望の灯を、心にそっと灯すことができます。
そういう意味で、文学やアニメ、漫画、音楽、演劇の持つ力は本当に偉大です。
聞いた瞬間にわっと気持ちがこみ上げてくるような言葉。
繰り返し読みたくなる本。
孤独を感じたときに聴きたくなる音楽。
そんなものが、皆さんにもあるでしょうか。
あるとしたら、どうぞそれを大切にしてください。
それはきっと心の栄養で、人生のあるタイミングであなたを支え、守ってくれたものです。
これからも、あなたに力をくれるものかもしれません。
まだないなと思う人は、これから探してみてください。
「こんなセリフ、人が聞いてもつまらないかも」
「別に、人が聞いても感動的じゃないかも」
なんて、「誰か」の目を入れる必要はありません。
あなたにとってそれが大事なら、その言葉であなたの心が息を吹き返したなら、その言葉であなたの心が楽になったなら、それは誰がなんと言おうと、あなたに必要な言葉です。
クライエントさんから、今まで大事にしてきた言葉や詩の一節、小説などを教えてもらえることがあります。
その瞬間が、私はとても好きです。
その言葉が、傘のように、屋根のように、暖炉のように、クライエントさんの心を守ってくれていたんだな。そんな言葉を、この人は、自分で見つけ出したんだと、クライエントさんの強さを感じ、うれしくなります。
闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト!
冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
(中島みゆき『ファイト!』)
先日、あるクライエントさんとのセッションの後で、思い出された曲です。
大切なクライエントさんを傷つけた人たちに何か言ってやりたい気持ちや、奥歯を噛み締めて堪えた悔しさ、歯がゆさを、この歌詞がぎゅっと抱きしめてくれたような気がしました。
傘のように、暖炉のように、手のひらのように、心を守ってくれる言葉。
感情の受け皿になってくれる言葉。
それらを何度も何度も聴いて、心の血にして肉にする。
自分もこれまでそんなことをたくさんやってきたなぁと思うし、これからもそうしていきます。
今同じように、そうやって自分の心を守り闘っている人たちに、この記事を贈ります。