昨今、さまざまな場面で「自分を大切にすること」の大切さに注目が集まっています。
自己肯定感、セルフ・コンパッション、自己重要感といった言葉も、よく耳にするようになりました。
確かに、自分を大切にすることを学ぶと、人生にさまざまな変化が起こり始めます。
特に大きく変わるのは、対人関係(パートナーシップ)です。
先日、Psychology Todayにもこんな記事が出ていました。
この記事は、こんな言葉の引用から始まります。
“私たちは、自分が受けるに値する愛を、愛として受け取る”
そして、著者は自分のパートナーシップをこんなふうに振り返っています。
“思えば、私は、本当の意味で、私を見てはくれない人とばかり付き合ってきた”
相手が、本当の意味で、自分を見てはいない。
この感覚をクライエントさんが言葉にされるとき、相手の心の中に一生懸命、自分の居場所を確保しようとしているのが伝わってきます。それは健気で切実さで、胸が痛むほどです。
「私のことなんて見てないでしょ」「俺のことなんて見てないよね」
ただ、一緒にいたいだけなのに。
相手が自分を見ていない。
これは、誰かといるのにひとりぼっちという、とてもつらい感覚です。この“見る”には、見つめるとか向き合うということだけではなく、知ろうとする、ケアするといった意味も含まれているように思います。
さらに、著者は、自分自身に対する認識がパートナーシップに与える影響についても考察します。
“自分に価値がないと感じる人は、「私みたいな人間のどこがいいの?」と、相手を遠ざけてしまう”
“自分に自信がない人は、「僕はダメだ」という思いを強めるような相手を引き寄せてしまう”
相手と向き合う前に、まず自分自身をしっかりと「見る」ことの大切さ、そしてこう続きます。
“まずは、自分自身と恋に落ちること”
記事の通りに書きましたが、あばたもえくぼのような盲目の恋に落ちるのではなく、「自分のいいところもダメなところもフェアに見てくれる頼もしい恋人に、自分自身がなる」ということなのだと思います。
私自身も、思い当たるところがあります。
私の中には、長らく「母親に見てもらえなかった小さな女の子」がいました。
その「女の子」から目を背けていた間、私がパートナーに選ぶ相手は、やはり「私のことを見てくれない人」ばかりでした。私は、相手に見てもらおうと一生懸命になり、尽くしすぎたり、我慢しすぎたりして、結局うまくいかなくなる。その繰り返しでした。
ですが、あるとき、「自分が本当に一緒にいて安心できる人って、どんな人だろう」と考え始めました。
そのときに考えるヒントをくれたのが、私の中の「小さな女の子」でした。
「この子が安心してくれるようなパートナーって、どんな人だろう?」
小さな女の子は、寂しがり屋で、相手の表情や機嫌に敏感に反応します。会う頻度や物理的な距離よりも、好きな人と気持ちでつながっていることを大切に考えます。相手の心の中に自分がいると思えたら、安心して、朗らかに笑っているのです。
そんなふうに、小さな女の子のことをしっかりと理解し、「自分の中の小さな女の子を安心させてくれるパートナー像」を明確にしていくと、なんと、それから半年も経たないうちに、ぴったりのパートナーに出会うことができました。
素敵なパートナーに出会うために、自分磨きをしたり、自分を少しでも良く見せようと努力を惜しまない。そんなふうに頑張っている人もたくさんいます。
それでもうまくいかないと感じるときは、ここに書いてあることを参考にしてみてください。カウンセリングを利用していただくのも、もちろん大歓迎です。
「自分を大切にし始めると、自分を大切にしてくれる人に出会える」
なんだか引き寄せの法則のようなまとめになってしまいましたが、この効果はカウンセラーとしても、一個人としても実感するところです。
これはほんとにそうなんだよなー。
— shiho@こころが元気になる場所 (@emotion_lab) 2020年1月15日
「私たちは、自分が受けるに値する愛を、愛として受け取る」
だから、
「自分を大切にし始めると、自分を大切にしてくれる人に出会える」 https://t.co/jT199iVPUs