Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:いつもとはちょっと違う視点で、自分の物語を読む。

カウンセリングに来る方は、「今、抱えている問題を自分で何とかしたい」という気持ちを持っています。

「誰かに何とかしてもらおう」ではなく、「自分の問題と向き合うために、専門家の手を借りよう」という気持ちそのものが、クライエントさんの中にある、よりよい変化へと向かうとても大きな力(リソース)です。

でも、「問題を抱えている自分は惨めだ」とか、「問題を抱えている自分は人よりも劣っている」とか、「こんなことで悩んでいるのは自分くらいだ。みんなもっとうまくやっている」といった思いが大きすぎるために、自分の中のリソースを完全に見失った状態で、カウンセリングにいらっしゃるのです。

感情や体験のレベルで言うと、恥や劣等感、孤独感でいっぱいの状態です。

こんなときはまず、この恥や劣等感、孤独を和らげて、クライエントさんに自分の中の正しさや自信、誰かと確かにつながっているという感覚を思い出してもらうための作業をしたいと思っています。

恥や劣等感、孤独の中にいる状態のまま、自分の問題に向き合おうとするのは、酸素を吸えないまま海底に潜っていくようなもので、ただただつらい作業になってしまいます。

なので、まずは、その問題というのが、かつては必要だった生き延びるための方略(決して恥じることではない)だと認めたり、人より劣っているのではなく、人よりも過酷な環境に対処しなくてはならなかった可能性(自分の無力さではなく、環境側の失敗だった可能性)はないかを考えたり、その問題がなくなったときの自分を想像してもらったり(無防備な自分、本来の自分を少しでも感じられる)します。

カウンセリングは、 クライエントさんの語る物語を、カウンセラーがちょっと違う視点から一緒に読み解く場でもあります。

あるいは、人生の物語を紡ぐ上で、行き詰まった筆を再び走らせるための場でもあるかもしれません。

あなたが「問題だ」と感じていることも、あなたが「弱さ」だと思っていることも、あなたが「恥だ」と目を背けていることも、私からはこう見える。

そんなことを一緒に話し合う場所として、カウンセリングがあるのです。