Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:優しさや思いやりを受け取る

昨日7日に、都内の新型コロナウイルスの感染者が2,000人を超え、1都3県に緊急事態宣言が再発令されました。

昨年、初めての緊急事態宣言が発令されたときもそうでしたが、

「先生、どうぞ気をつけてください」

というお言葉を、オンラインカウンセリングのクライエントさんから、折に触れていただきます。

カウンセラーを目指す学びの中で、クライエントさんからこうした思いやりや優しさを受け取ることについて、「搾取にならないよう気をつけなさい」と忠告された方も多いのではないでしょうか。

そのため、クライエントさんのこうした自然な思いやりや優しさを向けられたとき、カウンセラーのほうが萎縮してしまうことがあります。

しかし、クライエントさんが向けてくれる優しさは、いつもクライエントさんの自己犠牲の上に成り立っているわけではありません。

自分の中の思いやり(ポジティブなもの)を思い切って、カウンセラーに差し出す勇気や強さ、関係性へのコミットメントの現れでもあるのです。

それなのに、差し出された優しさを前にしてカウンセラーが萎縮したり、受け取り損なうのは、本当にもったいないことです。

カウンセリングの場では、カウンセラーが一方的にクライエントさんに何かを提供しているわけではありません。

カウンセラーも、クライエントさんから優しさや思いやり、生きることへの真摯さ、苦しい道のりを一緒に歩んできた感謝を受け取っています。

それを受け取り損ねると、反対にクライエントさんを傷つけ、せっかく築いてきた関係性にヒビが入ってしまうこともあるように思います。

カウンセラーの側も、クライエントさんの優しさを受け取る勇気を持つこと。

クライエントから寄せられる「どうぞお気をつけて」という言葉を聞くたび、そんなことを思います。