コロナ禍の生活を通して、今、多くの人が「自分の心のケア」の必要性を感じています。
あまり知られていないことかもしれませんが、私たちは、2つのストレスを感じています。
・環境や他者から与えられる、外からくるストレス
・自分の心の中の不安や恐怖、怒りといった、不快な感情からくるストレス
例えば、「家族と過ごす時間が増え、一人の時間が持てなくなった」というのは、環境からくるストレスですが、それによって「イライラして、子どもに当たってしまい、罪悪感を感じる」のは、不快な感情からくるストレスです。
多くの場合、私たちはこの二重のストレスを抱えています。
ストレスなんて、1つだけでも厄介なのにと思いますよね。
でも、ストレス源が思っているよりたくさんあると思えば、そんな大変な状況なら、心が疲れたり、余裕がなくなったりしても仕方ないと、自分や周りの人に対して少し、優しくなれるかもしれません。
海外のある研究者が、感情恐怖(affect phobia)という概念を提唱しています。これは、自分の心の中に生まれる感情にうまく対処できず、避けたり、無視してしまいがちな傾向のことで、これはすべての人に大なり小なりみられるものです。
不安に対する恐怖がある人は、不安が高まる状況でストレスを感じます。
怒りに対する恐怖がある人は、高まった怒りをなんとか見ないようにするかもしれません。これもストレスになります。
恥に対する恐怖がある人は、恥を感じる状況を極力避けようとして、完璧主義に陥るかもしれません。
自分が抱えている感情に対する恐れを取り除いて行くことで、自分の内側から生まれるストレスを軽くすることができます。
自分の内側からもストレスが生まれることがある。
そしてそれは、自分の中の感情恐怖(ある感情を感じることへの恐れ、拒否感)から生じている可能性がある。
この2つを覚えておいて、自分の感情に対する感じ方・かかわり方を見つめ直してみると、抱えているストレスを和らげることができ、心のセルフケアにつながるかもしれません。
感情恐怖について参考にした書籍はこちら↓↓↓
Treating Affect Phobia: A Manual for Short-Term Dynamic Psychotherapy
- 作者:McCullough, Leigh,Kuhn, Nat,Andrews, Stuart,Kaplan, Amelia,Wolf, Jonathan,Hurley, Cara Lanza
- 発売日: 2003/03/27
- メディア: ペーパーバック