emotion laboratory

感情は人生の羅針盤

愛の効果

先日、心の痛みの身体の痛みは、脳の同じ場所で処理されることについて書きました。

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ここでは、鎮痛剤が心の痛みを和らげる作用を持つことにも触れましたが、今回はその反対、つまり、愛には痛みを和らげる効果があり、しかも愛による鎮痛作用は、鎮痛剤とは違う働き方をするという話題です。

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この研究によると、愛する人の写真を見ているときの人の脳は、友人の写真を見ているときや課題を達成したときに比べて、ずっと強い痛みに耐えることができるそうなのです。このことから、愛は、課題達成のような知的な作業と違って、非常に本能的なレベルで存在していると、研究者たちは考えています。

痛みというのは、生命体としての私たちの祖先である単細胞生物の頃からある、もっとも原初的な体験のひとつです。痛みは本来有害で、避けるべきものですが、あらゆる痛みを回避していては、私たちは何も成すことができません。進化の長い歴史の中で、生き物たちは痛みに耐えて、望むものを手に入れる力を育む必要があったのです。

その一つが、愛する能力です。

強い痛みに耐えるというと、出産はそうした経験の代表例ですが、このときもいわゆる“愛情ホルモン”を呼ばれる物質が、母親の胎内に増加し、強い痛みに耐えることを可能すると言われています。 

痛みに耐えるために、愛することを覚えた。

生命の進化の歴史に、そんな1ページがあるというのは、何だかとても素敵なことのような気がします。