身体は自分のもの。
無意識に、私たちはそんなふうに思っています。
「なぜ自殺してはいけないか」を議論するたびに聞かれるのは、「自分の身体をどうしようと、誰に迷惑をかけるわけでもないじゃないか」という自殺肯定派の意見です。
しかし、病気をすると、自分の身体さえ、いかにままならないものになるか、ということを松岡氏や鷲田氏が書いています。
普段、私たちは内臓の動きを意識しませんが、脈が乱れたり、痛みを感じたりすると、心臓や胃の存在を意識するようになります。
自分をいたわり、ケアするとき、自分の一部を客体化する・擬人化することが役に立ちます。
感情にしてもそうです。
英語のカウンセリングに関する本では、よく、I am angry. ではなく、I feel anger. と言うように勧められます。
あなた自身が感情ではありません。
感情はあなたの一部だと知ることが、役に立ちます。
私の中に、怒っている部分がある、というふうに認識するのです。
そんなふうに、自己の一部を擬人化すると、そこと対話することができるようになります。
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その対話は、多くの場合、とても実りあるものになるのです。