Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

感情=自分、ではないことを知る

身体は自分のもの。

無意識に、私たちはそんなふうに思っています。

「なぜ自殺してはいけないか」を議論するたびに聞かれるのは、「自分の身体をどうしようと、誰に迷惑をかけるわけでもないじゃないか」という自殺肯定派の意見です。

しかし、病気をすると、自分の身体さえ、いかにままならないものになるか、ということを松岡氏や鷲田氏が書いています。

フラジャイル 弱さからの出発 (ちくま学芸文庫)

フラジャイル 弱さからの出発 (ちくま学芸文庫)

 

 

 普段、私たちは内臓の動きを意識しませんが、脈が乱れたり、痛みを感じたりすると、心臓や胃の存在を意識するようになります。

自分をいたわり、ケアするとき、自分の一部を客体化する・擬人化することが役に立ちます。

感情にしてもそうです。

英語のカウンセリングに関する本では、よく、I am angry.  ではなく、I feel anger. と言うように勧められます。

あなた自身が感情ではありません。

感情はあなたの一部だと知ることが、役に立ちます。

私の中に、怒っている部分がある、というふうに認識するのです。

そんなふうに、自己の一部を擬人化すると、そこと対話することができるようになります。

弁証法的行動療法実践マニュアル―境界性パーソナリティ障害への新しいアプローチ

弁証法的行動療法実践マニュアル―境界性パーソナリティ障害への新しいアプローチ

 

 その対話は、多くの場合、とても実りあるものになるのです。