どんな会社に就職するか。
今のパートナーとこのまま一緒にいてもいいのか。
「考えても考えても」決められない。「考える」ことにも疲れ果ててしまった。
こんな経験は、誰にでもあるものです。
しかし、果たして、決断は本当に「頭で考えて」するものなのでしょうか。
この記事の中でも、感情の動きを表すのに、be pulsing through という表現が使われていますが、思考がアクセルやブレーキ、あるいはハンドルのようなものだとしたら、感情は、エンジン、もっと言えば、それそのものを動かすエネルギー、言わばガソリンのようなものと理解するのがよいような気がします。
アクセルやブレーキ、ハンドルだけがあっても、何も動かすことはできません。
エンジン、あるいはそれを動かす大元のエネルギーにしっかりとつながってこそ、私たちは、自分として何かを決め、目指す方向へと進むことができるのだと思います。
私たちは成長の過程で、「考えること」ばかりに慣れてしまって、「感じること」を効果的に活用することができなくなっています。「感じる」ためのアンテナの感度が、すっかり鈍ってしまった人も少なくないかもしれません。
近年、マインドフルネスやヨガ、瞑想を通して、“今ここにいる自分を感じる”ことがブームになっているのもうなずけます。
本当は、多くの人が「感じること」に基づいて、選択や決断をし、人生を自分の手の中に取り戻したいと願っているのです。
この記事には、そのための5つの方法が書かれています。
1つ目はとてもシンプルです。
1. その状況が自分にとって快適かどうか、自分に尋ねてみる。
今ここへのアンテナの感度を高めるにも、よい方法です。
2つ目は、もう少し難しいかもしれません。
2. 身体感覚と自分の気持ちや感情の間につながりを作り、ストレスを感じているときの身体のサインから、気持ちや感情を同定しやすくする。
気持ちや感情に気づくには、身体が発している声を聴けるようになることが大切です。
特に、喉から胸、みぞおち、おへその下あたりにかけての身体の感覚は、とてもおしゃべりです。奥歯のかみしめや肩に力が入るような感覚も、比較的意識しやすいでしょう。
3. その気持ちを生じさせた “ストーリー(文脈)” に意識を向ける。
このストーリー(文脈)は、客観的事実である場合もあれば、その人の心の中での事実(心的現実)である場合もあります。過去の傷つきやトラウマによって、客観的事実を、この心的現実が凌駕してしまうこともあります。自分がその気持ちを感じた文脈そのものを点検してみることも役に立つでしょう。
4. 気持ちや感情に関する語彙を増やす。
これは、Emotional Intelligence、いわゆるEQを高める方法としてもよく知られています。単に「つらい」というだけでなく、その「つらさ」がどんなふうなのか、と言葉にしてみることが役に立ちます。「身を切られるようなつらさ」と、「心にぽっかり穴が開いたようなつらさ」は、違う体験です。この違いを曖昧なままにしていると、だんだん気持ちや感情への感度が鈍っていきます。
日常のおしゃべりの中では、なかなか難しいかもしれないので、日記を書くことを習慣にするのもよいかもしれません。
5. パターンに気づく。
周りの状況をよく見て決断ができる人が優れていると思われがちですが、本当に優れた決断を行っている人は、日頃から、自分との対話をおろそかにしないよう、心がけているのかもしれません。