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感情は人生の羅針盤

蘭かタンポポか:orchid childについて

共働きの世帯が増加した昨今、多くの親御さんが期待する子ども像とは、どのようなものでしょうか。

物事に積極的で、好奇心旺盛で物怖じせず、どんな環境にもスムーズに順応する社交的で…つまり、“自分のことは一通り自分でできる、手のかからない子ども”という意見もあるかもしれません。このような子は、しばしば、どんな環境でも適応する遺伝子を持つタンポポに例えられることがあります。

一方、自分に合った適切な環境を整えてもらうことによって、実力を発揮するタイプの子どもは、蘭の花に例えられます。彼らは繊細で敏感なことで知られています。こうした特性は一見すると「弱い」「大げさ」と親御さんの心配の種になりかねません。

しかし、優れた芸術作品を生み出したり、相手の期待を察してきめ細やかな配慮をしたり、一を聞いて十を知るといった感受性の豊かさを育むには、こうした特性はむしろ強みになります。

今回は、蘭タイプの子ども(orchid child)へのかかわり方に関する記事をご紹介します。

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蘭タイプの子どもは、全体の15~20%程度存在すると言われています。30人学級なら、6人くらいはこのタイプに当てはまるというところでしょうか。

とても繊細なため、ストレスに対する反応も大きく、長引きやすいという特徴があります。これは、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールのレベルが増加した状態で保たれやすいことによります。また、自律神経の慢性的な活性化もみられ、ストレスから身体に不調をきたしやすいと言えます。これらの特性は、遺伝上の要因と早期の養育環境の要因とが合わさった結果として生じます。

蘭タイプの子どもにみられる特徴をまとめると、以下のようになります。

・ストレスに対する神経生理学的反応が過剰である。

・引っ込み思案で、内向的である。

・味覚、聴覚、視覚などの感覚が過敏で、些細なことに刺激されやすい。

しかし一方で、彼らは環境のあたたかく支持的な雰囲気を敏感に感じ取り、とてもよく反応します。その子の特性に適した環境に身を置くことができれば、他の同級生たちよりも健康に育ち、能力をよりよく発揮します。

蘭が美しく咲くためには、手厚い世話が必要ですが、蘭の花タイプの子どもにとって必要なのは、どのような環境なのでしょうか。

記事では次のような点が挙げられています。

1. 友人や周囲の大人たちからサポートを得られる。

2. 日課が決まっていて見通しが持ちやすく、子どもが社会とのかかわりにおいて一貫性を見出だせる。(例:遅刻したら必ず叱られる=遅刻は良くないという一貫した認識が持てる)

このように育つ環境を選ぶ点が、蘭に例えられる所以です。生育環境に対する独特な感受性を有すると同時に、個性的な気品と影響力を持つのです。

もちろん、子どもたちが完全にこの2つのタイプに大別されるわけではありません。タンポポタイプの子どもと蘭タイプの子どもは、同じ直線上にあり、タンポポの極により近いか、蘭の極により近いかという見方をするのが現実的でしょう。

繰り返しになりますが、子どもの特性は、遺伝と環境の相互作用の中で形成されます。

これは、遺伝子型に対して、phonetype(表現型:生物の外見に現れた形態的・生理的性質)と呼ばれ、周囲の環境からの刺激を知覚しつつ、行動や気質をそれに応じたものに調整していくのです。

今回は、一見「弱さ」や「過敏さ」として、“修正すべき点”とされる蘭タイプの子どもが、適切な環境を与えられることで花開く可能性に関する記事をご紹介しました。

大切なことは、子どもがタンポポタイプであろうと、蘭タイプであろうと、子どもにかかわる大人たちが、彼らの特徴をよくよく観察し、適切な環境を提供をするという点に尽きるようです。

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