感情の星座、と言えば、蟹座です。
私自身も蟹座なので、この表現はあまりに的確で、すぐに覚えてしまいました。
蟹座の人は、よく感受性が強いと言われます。蟹座の支配星が、毎日形を変える月であることからも、とかく気持ちが変わりやすいとか、不安定になりやすいとも言われます。
そんな蟹座のありようを、見事に描いてくださったのが、石井ゆかりさんの蟹座の本です。
この本に出会ったとき、私は、感情にこだわってきた自分自身と、感情そのものとが、一緒にふわっと受けとめられたような気がして、とてもうれしくなりました。
私自身、いつも感情と仲良くできるわけではありません。
人一倍、自分の感情にも他者の感情にも敏感で、いつも心がむき出しの状態で生きているようなところがあります(だからこそ、感情について学んでいるのかもしれません)。
感情があることは苦しい。感情なんて消えてしまえばいいのに。
そう思うこともあります。
それでも、やはり、感情の中にこそ、命があるのだと思うのです。
感情がなければ、世界は途端に色や輝きを失うでしょう。
感情は、野生馬のようなものかもしれません。
それを上手に乗りこなせる人もいますが、私のように、自分自身が野生馬のようであって、乗りこなすことよりもそれといかに一緒にいるか、ということが、テーマとなる方も少なくないでしょう。
特に蟹座の人にとって、感情は自分そのもののような気がします。
「我思う。故に我在り」と言ったデカルトは、おそらく蟹座ではないでしょう。
「我感じる。故に我在り」こそ、蟹座の感覚だからです。
(面白いことに、石井ゆかりさんもこの表現を使っていましたし、感情を重視する心理療法、Emotion-Focused Therapyの創始者である、Greenberg氏も著書の中で、同じ表現をなさっていました)
感情とともに生きることは、自分であることと不可分です。
それは、もしかしたら、蟹座の人に限らないのかもしれません。