「あんた、今日機嫌悪いわね、どうしたの」
なんて馬に言われたら、ビックリしてしまいそうですが、もし馬が話せたら、そんなことも起こりうる、というお話(ほんとか。
ホース・セラピーや、セラピー・ドッグという言葉もあるように、動物に触れたり、世話をしたりすることが、人の心によい影響を与えることは、これまでにも指摘されてきました。
しかし、馬が、人の表情から、その人が感じている感情がポジティブなものなのか、それともネガティブな感情なのかを判別までしているというのは、とても興味深いです。
獣医の友人から聞いた話ですが、血のつながりによる群れで生活する動物とは違い、馬は、血のつながりにとらわれない群れを作るという点で、人に近い社会性の感覚を持っていると考えられているそうです。
感情を読み取る力は、血のつながりに依存しないコミュニティの形成と維持において、生物学的、あるいは進化論的観点からも重要な意義を持っているのかもしれません。
また、この記事では、馬同士も顔の表情で気持ちを表現し合うことが知られており、その表情には、人間に近いものもあるといったことも書かれています。
ポール・エクマンという心理学者が、人の表情による感情表現は、国や文化を越えて共通することを明らかにしましたが、種も越える表情もあるということなのですね。
犬と人間の感情処理プロセスの共通点を指摘する研究も出てきており、こちらもいつかご紹介したいと思っています。
海外では、感情に注目した多くの研究がなされていて、感情擁護派・感情推進派の人間としては、本当に頼もしい限りです。