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emotion laboratory

感情は人生の羅針盤

自分のあり方に悩むひとに

自分のあり方に悩むひとは、少なくないはずです。

自分ってどうしてこうなんだろう、自分にはこれが足りない、もっとこんなふうになりたい。

しかし、そんなふうに自分に足りないものや自分からかけ離れた理想を追えば追うほど、虚しくなってしまったり、自分のことを嫌いになってしまったりします。

心理療法家のカール・ロジャースは、自己一致という概念を提唱しました。

カール・ロジャーズ入門―自分が“自分”になるということ

カール・ロジャーズ入門―自分が“自分”になるということ

 

二つの重なり合う円があり、それぞれの円は「自己概念」と「経験」と名づけられています。(実際に描いてみると面白いかもしれません)

ヒトとは本当に不思議な生き物で、自己概念にそぐわない体験を、自己概念の中に取り込まない、ということをやってしまいます。

そのため、「自分はこうだ」「これぞ自分だ」という自己概念が、実際の自分ではなく、理想の自分の姿である場合、自己概念の円と、体験の円とが重なる部分は、非常に小さくなってしまいます。

大切な人を失って悲しいときでも、「自分はこんなことで涙を流すような人間ではない」「泣くなんて恥ずかしい」という自己概念があったら、悲しいとか、泣くという経験はあるはずなのに、自己概念から締め出されてしまいます。

こんな状態が長く続くと、虚像とまで言うと、少し大袈裟かもしれませんが、自己概念は作り物の自分のようになってしまい、本来、自分という感覚を作り出し、維持してくれる経験は、どんどんこぼれおちていってしまうのです。

反対に、「こんなの自分じゃない」「こんな自分かっこ悪い」と思って排除してきた体験を、自己概念の中に取り入れ始めると、人はなぜかどんどん素敵になっていきます。

「人を嫌いになってはいけない」と思っていた人が、「私は、あの人が嫌いなんだ」と自分の気持ちを認めたときというのは、拍子抜けするように楽になったり、清々しさすら感じられることもあります。

人を嫌うのがよい、ということではなく、生き生きとした自分の本当の気持ちを体験することに価値があるのです。

自分も人を嫌うと思えば、人が誰かを嫌うことも許せるようになります。

ガチガチのルールに縛られていた生き方から、少し自由になって、生きやすくなります。

この2つの円のことは、心理学を専攻する人だけではなくて、もっと多くの人が知っておいていいことではないかなぁと思います。

ひとつの、生きる知恵ではないかと思うのです。