Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:不安を「一緒に」感じる。

強すぎる感情や、自分一人では扱いきれない感情を感じると、「こんなに心の弱い自分はダメだ」、「こんな気持ちになる自分がおかしいんだ」と、恥や劣等感を強めて、より孤独になってしまう。

こういう悪循環は、きっと多くの人が陥るものです。

受験勉強をしないといけないけど、不安で手がつけられない。

自分のやりたいことに来年こそは挑戦したいと思うけれど、自分にできるかどうかと考え始めるとわからなくなって、焦りばかりが募ってしまう。

こうした不安や焦りも、「自分だけが感じている」と私たちは思いがちで、こんな不安や焦りを人に話したら、「そんなことくらいで」とか「考えてばかりいないで行動しなさい」とか言われてしまいそうで、余計に口に出せなくなります。

こんなとき、カウンセリングではあえて、その不安や焦りをカウンセラーと「一緒に」感じることもあります。

そのためには、カウンセラーが、クライエントさんの中にある不安のニュアンスをしっかり感じ取り、「うわぁ、それはすごく不安なことですね」「それはすごく自然な感情だと思います」「私も○○さんと同じ気持ちになると思いますよ」と、積極的に伝えることも大切でしょう。

私たちは、「自分が感じている感情が、相手の中にもある」と感じられると、少しホッとして気持ちが楽になります。

先ほどの「自分がダメだから」や「自分がおかしいんだ」と感じる孤独な体験とは違って、「あ、この感情は別に変なものじゃないんだ」と感じられるからです。

そんなふうに、気持ちがちょっと楽になる感じがしたら、その感覚をクライエントさんと一緒に味わってみます。

この「ちょっと楽になる感じ」は、変化のつぼみのようなもので、この新しい感覚に注目して、その感覚をじっくり味わってみることで、自分に対する労りの気持ちが湧いてきたり、これまで「変だ」「おかしい」と、やたらと自分に厳しくしてしまったという気づきを得ることにつながります。

自分ひとりで、さまざまな感情に対処することは、けっこう難しいことだと思います。

不安や焦りを一緒に感じてくれる人。

これらの感情を攻撃の材料にしないで、「私も不安になること・焦ることあるよ」と言ってくれる人。

そんな「感情の調節を手伝ってくれる他者」に、私たちは生活のいろいろな場面で助けられているのだと思います。

もちろん、カウンセリングもそんな機会の一つです。