最近のセッションでは、クライエントさんの印象的なジェスチャーが見られる瞬間が多くありました。
AEDPを学び始めて、自分のカウンセリングが変わったと思うことの一つは、こうしたジェスチャーやイメージが出てきたときに、こんな声かけをするようになったことです。
「そのイメージ、素敵ですね。そのイメージをもう少し眺めてみると、どんな気持ちがしてきますか?」
「そのジェスチャーいいですね。一緒に何回かやってみませんか。やっていると、どんな気持ちになってきますか?」
クライエントさんと一緒にいて、私がクライエントさんのお話をちゃんと聴けているとき、クライエントさんの身体やイメージまでもが、私に「聴いて!」と言ってきてくれると思うと、うれしくなります。
それはまるで、言葉を覚える前の赤ちゃんが、一生懸命に視線や身体を動かし、「うーうー」「あー」とか言いながら、コミュニケーションを取ろうとしてくれているときのような、あたたかいうれしさです。
私たちは、小学校に入ると、授業中に大人しく座っていることを求められます。
でも本当は、身体だって喋りたい。
先生の言葉に、子どもたちは知性だけではなく、身体でも反応しているのです。
それを抑えて、きちんと行儀よく座っていることがよしとされますが、なんだかそれは、身体からすればとっても理不尽な要求なのかもしれません。
だからこそ、その理不尽さに耐えて、カウンセリングの場で再び話そうとしてくれるクライエントさんの身体が、本当に愛おしく、健気に思えてくるのです。
身体のジェスチャーや思いがけず浮かび上がってくるイメージは、考えを裏切るようなことを語り、考えを超えた話をしてくれます。
それに驚き、戸惑ってしまうクライエントさんもおられますが、身体やイメージが語る言葉に耳を傾けることで、ようやくその人の全体性が立ち上がり、その人がより自分らしく生きていけるきっかけになります。
その事実は、驚きや戸惑いの感情を経た後に、じんわりとクライエントさんにも受け取られ、身体やイメージからのメッセージが、どれほど大切なものだったかを感じることができるのです。
クライエントさんのジェスチャーやイメージに出会って、思わず私がにっこり笑ってしまう瞬間は、今まで同様、これからもたくさん訪れるでしょう。
そして、そのどれもが思い出深く、今も大切に私の心にも刻まれていくことと思います。