Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

「自分を大切にする」ということ:甘やかしではない、自分との対話。

先日、こんなツイートをしました。

受け取ってくださった方々のリプや引用リツイートにも、頷くことばかりでした。

話は変わりますが、私にとって「カウンセラーのテーマソング」となっているのが、平井堅さんの「ノンフィクション」です。


平井 堅 『ノンフィクション』MUSIC VIDEO (Short Ver.)

「僕はあなたに、あなたに、ただ会いたいだけ」

「僕はあなたの、あなたの、本当を知りたいから」

ここで歌われている「あなた」に、いつも、上にツイートした「意思疎通を図るべき自分自身」が重なるんです。

クライエントさんと話をしていても、「本当のこの人はどこにいるんだろう」という気持ちになることがあります。

目の前に、クライエントさんの姿があるにもかかわらず、「本当のその人」にまだ出会えていないような感覚。

(これは、多くのカウンセラーさんに共感してもらえる感覚ではないかと思います。)

そんなときは、クライエントさん自身も、本当の自分を感じられていない状態なのです。

そこにこそ、苦しさ、生きづらさがあります。

でも、「本当の自分」から離れてしまった時間の長い人は、どうしてその苦しみがあるのか、わかりません。

そして、苦しみや生きづらさだけを何とか取り除こうとします。

しかし、苦しみや生きづらさは、取り除くことはできません。テコでも動こうとしないはずです。

なぜなら、その下に、窒息しそうな「本当の自分」がいるからです。

苦しさや生きづらさは、「本当の自分がここにいるよ! 早く助けて!」というサインなのです。

そのサインを取り除いてしまったら、「本当の自分」がどこにいるのか、永遠にわからなくなってしまいます。

まずは、「苦しさがあるね、生きづらさがあるね」と、そのサインに「ちゃんと気づいたよ」というメッセージを送ることが大切です。

それが実は、自分を大切にする第一歩となるのです。

自分と対話することは、しんどいこともあります。

たくさん、たくさん時間がかかる人もいるかもしれません。習慣化・練習が必要です。

コツコツやっていきさえすれば、必ずできるようになります。

綺麗でも、賢くも、優れてもいないかもしれない。

それでも、一生懸命、日々起こることに心を震わせながら生きている。

そんな「自分自身」に出会えば、その不器用さも、頼りなさも、きっと愛おしく思えるはずです。