感情を表に出すのはみっともない。
感情は抑えておかないといけない。
こうした考えがあまり建設的でないことは、このブログでも何度か書いてきました。
もともと、感情を意味するemotionという言葉自体が、e(=外へ)、motion(=動き)という2つの意味から成り立っていることからしても、閉じ込めておくことがいかに不自然なことかがわかります。
本来、「動」の性質を持った感情を押し殺したツケは、遅かれ早かれ、身体の不調、行動の異常、対人関係の問題として現れます。
感情は、うまくつきあえば、自分が大切に思うこと、自分が守ろうとしているもの、自分にとって必要なもの、自分が選ぶべきものを指し示すコンパスになってくれる、豊かな信頼すべき友なのです。
自分の感情にかかわりながら日々過ごしている人と、そうでない人とでは前者の方が明らかに生き生きと、充実した人生を送っています。
では、感情とうまくつきあうには、どうすればいいのか。
これに関しては、膨大な量の書物が出ています。
自分の感覚にしっくり来るものを選ぶことは重要ですが、「思考によって感情をコントロールする」というよりは、「身体(五感)にかかわることによって感情を見つめる」ことに焦点を当てているもののほうが、個人的にはおすすめしたいと思っています。
例えばこんな本。
呼吸を通じて心を見つめる。
書くことを通じて感情を見つめる。
姿勢を整えて心を整える。
身体という器をしっかりと作ると、強い感情にも耐えられるようになる。
感情とのつきあい方を考える際には、「コントロールする」と捉えないほうが良いでしょう。
感情自体を変えようとするのではなく、身体や五感を用いてあるがままの感情を見つめたり、逃がしたり、抱えたりすると捉えるほうが無理がないようです。
感情を恐れる必要はありません。
感情とうまくつきあうための手がかりは、身体の感覚という形で、私たちのすぐそばにあるのですから。