意味を持つこと。理由のあること。価値のあるもの。目に見えるもの。
私たちはつい、そんなものばかりをほしがる。
そんな中でふと、置き去りになっていくものたちに、なかなか気づけない。
意味のないこと。理由のないもの。価値のないこと。目に見えないもの。
そんなものが「ある」と認めることすら難しくて、「すべてのことには理由がある」などという言葉が、妙に説得力を持ったりする。
尾崎豊の曲の中に、こんな歌詞があります。
「何も悲しまないと
暮らしを彩れば
きっといつか答えは
育むものだと気づく」
意味も、理由も、価値も、最初からあるものではなく、育まれていくもの。
そしてそれを、営みと呼ぶのかもしれません。
こんな文章を綴っているとき、私の心はとても静かです。
静けさのなかから、生まれてくるものがある、と思うとき、「ある」ということは、「ない」ことから生まれるという気がしてならないのです。