感情は、誰よりもまず、自分自身のためにある。
そう前回書いてみて、不意に、人間国宝の坂東玉三郎さんが、演技について書いていらした一節を思い出しました。
AFPが世界に紹介、「人間国宝」の坂東玉三郎さん - YouTube
坂東玉三郎さんといえば、歌舞伎界きっての女形で、その美しさたるやこの世のものとは思えないほどです。「アマテラス」の舞台を拝見したときの感動は、今でも忘れられません。
そんなわけで、坂東玉三郎さんの演技論のなかに、感情というキーワードを見つけたとき、なんだか無性に嬉しくなってしまいました。
上記のHPで、坂東玉三郎さんは「演技とは、感情を再構成すること」と表現していらっしゃいます。そして、その再構成のプロセスは、感受、浸透、反応の3つからなると指摘なさっています。
これは、セラピストがクライエントに共感する際のプロセスのようでもありますし、感情との付き合いかた①から④のプロセスにも重なります。
感受は、気づき、認めることに。
浸透は、感じることに。
反応は、表現することに。
それぞれ対応するように思われるのです。
玉三郎さんはまた、「下手な役者は反応しかしていないのでは」とも指摘なさっています。
感情との付き合いかたに置き換えたら、反応しかしない人というのは、感情の気づきや感じることが欠けているため、食べ物やアルコール、ギャンブル、買い物などに走るといった行動化をしてしまう人ということになります。
今後、HP上で、このそれぞれのプロセスについて、玉三郎さんが詳しく説明してくださることになっているようで、とても楽しみです。
このBlogでも、以前には、鴻上尚史さんや劇団新感線をご紹介いたしました。
演劇から、感情について学ぶことは、まだまだたくさんあるような気がします。