感情をしっかりと感じることが大事。
と、このBlogでは何度となく書いてきましたが、すべての感情が“感じられるべき感情”と言えるわけではありません。
少し専門的な話になりますが、感情は、大きく分けると以下の4つに分けられます。
①一次適応感情:適応や心理的な健康に役立つ、本当に感じるべき感情
②一次不適応感情:本当に感じるべき感情ではなく間違って学習されてしまった感情
③二次感情:感じるべき感情を隠すために生じる感情
④道具感情:他者を操作するためなどに使われる感情
以前ご紹介したムーミンのアニメに出てくるニンニという女の子の例で言うと、彼女がおはなしの最後にしっかりと表した怒りが一次適応感情、ひどいことをされているのに泣いてしまう悲しみは二次感情のように見えます。(二次感情はほとんどが不適応的です)
Moomin - The Invisible Child - YouTube
適応的な感情は、刺激に対する反応(行動)と一致しているという特徴があります。
怒りと一致するのは、侵襲的な刺激に対する前に出る動きです。
ムーミンママを守るときのニンニには、大切なものに迫る危険・怒り・前に飛び出して行く動きが、いずれもぴったり一致していますが、スティンキーにいじわるをされたときには、スティンキーへの怒りが悲しみにすり替えられてしまいました。
怒っていいはずなのに、悲しくなってしまうことは、女性には特によくあることかもしれません。二次感情は性役割や社会的規範からも影響を受けるのです。
そして、海に落ちてしまったムーミンパパにも、二次感情が見られます。本来は恥を感じているはずなのに、パパはニンニに向かって怒ります。しかし、決まり悪そうに沖へと泳いでいる様子から、怒りではなく、恥ずかしさを感じていることがわかります。
こんなふうに、感情の感じられ方というのは複雑です。意外と、感情の間違った感じ方をしていることは少なくありません。
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