映画を考察するきっかけになった本のご紹介。。
の予定でしたが、専門的な本なので、もう少しとっつきやすいところから、書いてみたいと思います。
とはいえ、このBlogを書く上で、とても大切な本ですので、いずれ必ずご紹介したいと思っています。
今日は、怒りについて書いてみます。
怒りは、悲しみと同じくらい、あるいはそれ以上に嫌われている感情かもしれません。
ですが、怒りには、とても大切な役割があります。
ひとつは、外からの攻撃や理不尽な扱いに対して、境界を設ける役割です。動物が敵を威嚇するような感覚に近いでしょう。
そうすることによって、私たちは自分自身や大切なものを守ることができるのです。
もうひとつは、自分を取り巻く世界にかかわっていくための、前に出る原動力という役割です。「彼はアグレッシブなプレーをする」などというとき、積極的に前に出て行く選手がイメージされるでしょう。
こんなふうに積極的に前に出て行く動きは、愛することとも関連しています。
片思いの相手に「好き」と伝えるのは、とても勇気のいる、前に出る行為です。
アレクサンダー・ローエンは、愛と怒りには同じ筋肉が関連していて、「怒れなければ、愛することはできない」と、興味深い指摘をしています。

からだは嘘をつかない―うつ・不安・失感情、“からだ”からのアプローチ
- 作者: アレクサンダーローエン,Alexander Lowen,国永史子
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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愛の反対は無関心、というマザーテレサの言葉も思い出されます。
身体の深いところから、私たちを突き動かす感情。
次回ももう少し、怒りという感情の弁護を続けてみたいと思います。