Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

カウンセリングですること:感情についたラベルを貼り直す

私たちが生きていく上で、個人の感情と、大切な人との関係のどちらを優先しているかというと、後者のほうです。 私たちは、特に子どもの頃には、自分を守り、身の回りの世話をしてくれる大人がいないと、生きていくことができません。 そのため、自分の感情…

有害な恥への対処法:自分へのいたわりと恥のルーツを知る

前回、有害な恥(toxic shame)という感情への対処法として、感じて受け入れるのではなく、「距離をとって眺める」ほうがよいという記事を書きました。 有害な恥とはどういう感覚かについても、以下の記事をご参照ください。 emotion-lab.hatenablog.com な…

自己肯定感の天敵:有害な恥(toxic shame)

・いつも自分がすることに自信が持てない。 ・できていることがあっても、いつもできないことのほうにばかり気を取られてしまう。 ・仕事で優秀な結果を残しても「こんなの大したことない」「ほかの人はもっとうまくできる」と思って、自分を褒めてあげられ…

emotional abuse:見えにくく、語られにくい痛み

emotional abuse、つまり、感情面での虐待は、体験している本人にも、なかなか言葉にしにくいものです。 emotional abuseの多くは、ふたりの人物の間で起こる感情調整の失敗で、親をはじめとする大人が、何らかの要因によって子どもの感情に適切に対処してあ…

カウンセリングで育むのは、柳のような心。

強い心と聞いて、みなさんはどんな心のあり方をイメージするでしょうか。 ・他者からの評価を気にしない。 ・人から何を言われても自分の考えを貫く。 ・自信がある。 ・ブレない。 こうしたあり方が良いものとされる一方、最近では、これらの特徴を備えた(…

夜中に自分のカウンセリングをした話。

先日、クライエントさんとの深いセッションが続いた日の夜に、とても不思議な体験をしました。 夢に、高校生のときに亡くしたペットのワンちゃんが出てきて、夜中にふと目が覚めました。 このこと自体はよくあることでした。 このワンちゃんには、亡くなると…

「感情は表したら終わり」じゃない。

カウンセリングの中で、怒りが出てきたり、悲しみが出てきたりすることは、とても大切なことです。 でも、注意していただきたいのは、「感情は、ただ表せばよいというものではない」ということです。 私たちは感情を表していても、十分に感じていないことが…

心の滋養としての感情

食べ物を慌てて飲み込まずに、よく味わって食べると、匂いや味、舌触り、歯ごたえがよくわかって、大きく深呼吸したときのような心地よさが広がり、食べ物のありがたみが感じられます。 感情も同じように、ゆっくり時間をかけて味わってみると、心の栄養にな…

「臆病者になる勇気」

今日のタイトルは、私の大好きな役者さんがある舞台の千秋楽でおっしゃった言葉です。 恐怖は、人間が持つ基本感情(生まれながらに持っている感情)のうちの一つです。 基本感情には、大切なものを守るという役割があります。 大切なものの代表といえば命で…

諦めは、現実をきちんと見る力でもある。

カウンセリングというのは、ある人がこれまでずっと諦められずにきた何かを、諦める瞬間に立ち会うものでもあります。 諦めるという言葉から、皆さんはどんな印象を受けるでしょうか。 一般に、諦めるという言葉はネガティブなイメージがつきまとうものかも…