Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

大事なので何度も書きます:怒りの機能と役割

先日、友人からこんな相談を受けた。 「職場で怒りを顔に出したくない。どうしたらいい?」 聞けば、職場にモラルのない人がいるとのこと。 モラルのない人に腹が立つのは、自然なことだ。 でもそれを「出さないように」「抑えないといけない」のが現実であ…

カウンセラーの意外な仕事:言葉に詰まる姿を見せる。

カウンセラーが、「クライエントから求められていると思い込んでいること」の一つに、「解決策を提示するカウンセラー像」がある。 確かに、「アドバイスをください」と言って来談される方も多いのは事実だ。 しかし、カウンセラーは「問題解決屋」ではない…

カウンセリング小噺:自分を大切にするための回り道

急がば回れ。 とよく言うけれど、日々のカウンセリングを通して、「自分を大切にするための回り道」と言うものもあるな、と感じる今日この頃。 自分で、自分を大切にする。それって難しいなと思う人は、自分を大切にしてくれる人を想像してみるといいかもし…

防衛する心の理由:目を凝らすと見えてくるもの

「ありのままの自分を好きになろう」 という謳い文句は耳に心地よいものかもしれない。 しかし、自分のすべてをさらけ出す姿というのは、とても無防備で、傷つくリスクは計り知れない。 だから、人の心には、防衛という仕組みが備わっている。 例えば、 「う…

笑顔のちから:闇が心を覆ってもポジティブ感情の瞬きは消えない。

カウンセリング中には、たくさんのクライエントさんの感情に出会います。 怒り、悲しみ、傷つき、苦しみ、人を信じられないという気持ち、相手とつながることへの恐怖。 感謝、優しさ、愛情、誠実さ、人をもう一度信じたいという気持ち。相手とつながりたい…

人を車に例えてみる:理性、思考、感情のバランス

専門知識を、いかにわかりやすく伝えるか。 これは、すべての心理職に課される宿題だ(と、私は思っている)。 専門知識と一般的な感覚を、うまく媒介してくれるものがないか。 いつもそんなことを考えていて、閃くとたまにこんなふうに呟いてみる。 車の機…

年末年始と家族:「帰りたくない」も大切な気持ち

本日が仕事納めで、帰省の準備をする人も多いかもしれません。 年末年始、家族と過ごすのがつらい。 そんな気持ちを抱えて、いたたまれない気持ちでいるなら、この記事を読んでいる間だけでも、心の中に、その本音を置いておくスペースを作ってあげてくださ…

クライエントの自己紹介を聴くこと:HSP、AC、愛着障害、毒親育ちという「肩書き」

カウンセリングで自分のことを話すのは、とても難しいことだ。 誰かにちて話すことは、日常でたくさんやっていても、自分について話すことは、カウンセラーだって慣れていない。 そこで、クライエントさんたちは、ある「肩書き」を使う。 HSP、AC(アダルト…

カウンセリングを受けると決めた人の勇気。

クライエントさんは「勇気のある方だ」と私はよく思う。 理由はたくさんあるが、その一つを先日ツイートした。 親、そのまた親から受け継がれてきた負の遺産を、自分の代で断ち切ると決めた人が、カウンセリングに現れる。素晴らしい勇気と賢明さだと思う一…

怒りよりも悲しみよりも厄介な感情:恥という呪い

人を痛めつける感情の一つに、恥がある。 いじめや性被害、パワハラに遭った人たちの多くが、この感情に苦しめられている。 自分のことが「恥ずかしい」と思うとき、人は小さくなり、背中を丸め、顔を隠して、自分の存在を消してしまいたいと願う。 ユングが…