emotion laboratory

感情は人生の羅針盤

日本語とこころ。

言葉が滅びるとき、文化もまた滅びる。

そんな話を聞いたことがあります。

 

文化と言うと大袈裟ですが、その言葉が示す生き方・態度・姿勢が失われていくという意味では、小さな文化的な死ということもできると思います。

 

心の持ち方や人が変化していくプロセスについて勉強していると、外国からやってきた新しい言葉たちに出会います。

resilience(レジリエンス)、mindfulness(マインドフルネス)、transformance(トランスフォーマンス)…などなど。

一方で、我慢、忍耐、辛抱という言葉たちは、すっかり鳴りをひそめています。

 

これらの言葉は、戦時中のイメージがつきまとうからでしょうか。

言葉だけではなく、我慢や忍耐、辛抱を教えるという文化自体が、衰退しつつあるようです。

これらの言葉が意味する態度は、ただただ、自己犠牲的で抑制的であるというものではありません。

そこには、歯を食い縛る強さ、希望を持ち続ける力、未来を諦めない意思、信念を貫き通す美学が宿っています。

何かを達成したり、褒められることによってだけではなく、辛いことに耐えたからこそ、生まれる自信もあるはずです。

耐え忍ぶ、という言葉から想像される姿は、みすぼらしさや惨めさを伴うかもしれません。しかし、清貧という言葉の潔さにも似た、美しさがあると思います。

 

ある時、こんなことにも、ふと思い至りました。

辛抱は、辛さを抱えると書きます。

これは、生きていく上でとても大切な力です。

 

それを示す言葉がなければ、その価値を伝えることは難しい。

だからこそ、豊かで役立ちそうな様々な概念が外国から多く輸入されても、それを一旦、日本語で考えるということや、もともと日本語として存在する言葉の語感を丁寧に吟味し、活用することを、忘れないでいたいと思います。

 

辛抱の大切さがよくわかる一冊です。

 

道をひらく

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