今回の記事は、ストレス耐性について書かれたものです。
近年では、レジリエンスという言葉で紹介されることも多いかもしれません。
レジリエンスはよく、強風が吹いても折れない柳の木に例えられます。
ストレスを感じないのではなく、ストレスは感じつつも、それにしなやかに対処するためには、どんな心の在り方が求められるのでしょう。
まず一つ目は、ポジティブな態度、楽観性です。
しかし、ここで言われている楽観性とは、あくまでも「現実をしっかりと認めたうえで楽観的でいること」を意味しており、現実に基づかない楽観性は、逆に自らを窮地に追い込むとされています。
二つ目には、道徳やモラルを重んじ、揺るぎない信念を持つことが挙げられています。
『それでも人生にイエスと言う』を著した、V. フランクルのアウシュビッツでの生活を思い浮かべる方も多いかもしれません。
また、つらい状況を生き抜く過程では、信仰を持つことが助けになる人もいます。宗派の教義を、揺るぎない信条とすることができるためでしょう。
また、信仰を持つことのメリットはもう一つ挙げられています。それは、奉仕活動を通じて、社会的なつながりが育まれるという点です。
一人きりでいるときよりも、誰かと一緒にいたり、誰かとのつながりを感じられているときのほうが、困難に耐える力が湧いてくるのです。
また、助け合いの気持ちや、自分の身に起こった困難を誰かのために生かそうとする利他性も、大きなリソースになります。
そして、困難な状況から喚起される、不安や恐怖といったネガティブな感情も、当然のこととして受け入れることも大切であることが紹介されていました。
ストレスが子どもに与える影響についても書かれていますが、まず、レジリエンスやストレス耐性について研究している人たちが前提としているのは、ストレスは適度にあったほうがよいという考えです。
ここでも、子どもにとって「耐えうるストレス」は、子どもの成長にとってむしろ必要で、ストレスを少なくすることは、子どもからストレス耐性を育む機会を奪ってしまうことになりかねません。
厳しい状況が、いつも、子どもに深刻な外傷をもたらすとは限りません。
過酷な時間を、大切な家族と、あるいは見ず知らずの人との間に新たな絆を育みながら、耐え忍び乗り越える過程の中で、子どもにとって生涯の財産となる強みが培われていくのです。