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emotion laboratory

感情は人生の羅針盤

取り留めないけれど、今、書けることを。

昨日起こった熊本での大きな地震について、何を書いたらいいのか、何を書けるのか、何かを書こうなんて考えがそもそもおこがましいかもしれない…。

いろいろな思いがありますが、書けることを書こうと思います。

PTSDやトラウマに関する研究では、事故や災害、犯罪に巻き込まれたとき、その出来事によるショックだけでなく、感情や身体反応を理性や思考ではコントロールできないと感じることが、外傷的な体験になることが知られています。

非常事態なので、身体や心が動揺し、震えが起きて涙が止まらなかったり、不安や苛立ちから誰かに怒鳴ってしまったり、反対に感情が麻痺したようになって何も感じられなくなったり、いつもの自分にはあり得ないような反応が、身体にも心にも起こります。

そんなときは、自分は弱い、情けない、恥ずかしいなどと責めないことが大切です。

人を助ける勇気が持てなかった、人に譲る心を持てなかった、思いやりの言葉をかけられなかったと、後々まで恥や罪悪感に苦しむ人もいます。

しかし、何度も言いますが、非常事態なのです。普段より優しくなれなくて当然です。

不安、恐怖、絶望、怒りといった、さまざまな感情に圧倒されてしまうのもごく自然な反応です。

自分の心と身体に起こっていることを、決して恥ずかしく思ったり否定したりすることなく、すべて、衝撃に耐えるために必要なことなのだと言い聞かせてください。

眠れなかったり、身体に力が入ってしまうのは、いつ来るかわからない危険に備えて、身体が警戒を怠らないようにと交感神経の働きを強めるからです。

涙が止まらなかったり、逆に感情が死んでしまったように感じても、それは心が一生懸命、起こった出来事のショックを受け止めようとしているからです。

余裕がなくなって苛立つのも、身の安全が守られず不安な状況では当然の反応です。

また、泣いたり、笑ったりすることを不謹慎だと思わないでください。

誰かの冗談にふっとこぼれる笑顔や、ほっと癒されるような気持ちといった、いわゆる陽性感情は、不安や恐怖、怒りなどの陰性感情を和らげる助けになります。

つらいときだからこそ、ユーモアや笑いの力を活用することは大切なのです。

安心してふっと気持ちが緩むと、涙が出ることもあります。

せっかく緊張状態から解き放たれた涙ですから、それが嗚咽に変わろうとも、押し殺さずに思い切り泣くことです。

以前、youtubeで、trauma bearと検索するとある動画を見ることができたのですが、その動画とは、麻酔銃で打たれた熊が、その状態から回復するとき、全身を痙攣させて咆哮する様子でした。身体に刻まれた外傷的な体験を、全身の動きと咆哮によって、熊が解放していく様がありありと見て取れました。

獣である熊と、理性的な生物である人間を同列に語ることはできませんが、大きな災害や事故を体験した人たちも、言葉になどなり得ない叫びや慟哭で、外傷を解放することができたら、それに越したことはないと思います。

 

今はまだ、こんなことを書くのは早すぎたかもしれません。

せめて、被害に遭われた方たちを心配している人たち、そして、被害に遭われた方の支援へ向かう人たちに、知っておいていただけたらと思います。