先日、感情との付き合い方について触れましたが、こちらの本の中にも、感情にまつわる美しい記述を見つけました。
人生は否定的な感情に「こんにちは」を言う機会を数え切れないぐらい与えてくれますが、文化はそれをあまりいいことだとは認めていません。
そういう場合は逃避したり、遅らせたり、我慢したり、否定するように教えられることの方が多いでしょう。場合によっては私たちは恐れていることさえ知りません。それほどうまくそれらを抑圧してきたのです。
しかし、「こんにちは」を言う前に「さようなら」は言えません。まずは相手にあいさつするのが良いマナーというものです。それは経験的な事実でもあります。感情が心の中から現れてくるのを否定しないようにしましょう。
(『実践ヴィパッサナー瞑想 呼吸による癒し』P.211より抜粋)
自分のうちに湧き起こる感情に、こんにちは、と言ってみるというのは、自己への思いやり(self-compassion)のひとつでもあるかもしれません。
感情とかかわろうとすることで、こんなふうに、自分に優しい態度を養っていくこともできるのだと思います。