emotion laboratory

感情は人生の羅針盤

感情を求めるこころ。

感情にまつわる謎を解き明かしていくためには、脳に関する研究だけではなく、乳幼児や乳幼児と養育者の相互作用を対象とした研究もまた非常に大きな意義を持ちます。

今回ご紹介する本はこちら。 

乳児の対人感覚の発達 心の理論を導くもの

乳児の対人感覚の発達 心の理論を導くもの

 

興味深い研究がたくさん紹介されています。

例えば、乳児は生後5週目ですでに、自分の感情に対して他者が感情的に応答してくれないと、不快感を示すことを明らかにしています。そして、乳児は「情動共有装置(Affect sharing device)」を生得的に備えていると主張しています。

子どもが育つためには、母乳だけではなくぬくもりも必要であり、空腹を満たすよりもぬくもりを手に入れる方が重要な場合すらあることを明らかにしたのは、ボウルビィですが、この本の著者M.Legersteeはそれに加えて、養育者からの情緒的応答の必要について論じています。

前回紹介した本の中でも、情緒的応答は他者と関係を築き、絆を維持していく上で大切な役割を果たすとされていました。私たちが体験的に知っていることに、ようやく心理学の理論が追いついてきているのでしょう。

人と人とをつなぐ感情。

その重要性が長らく日の目を見なかったのは、行動や言語に比べ、感情は客観的に観察することが難しいとされてきたためです。感情による人と人と交流は、時に言葉や行動より雄弁であるにもかかわらず。

しかし、近年こうした感情にまつわる研究が盛んになっているのは、とてもうれしいことです。