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emotion laboratory

感情は人生の羅針盤

感情の器としての身体

あなたに相談してよかった。とても気が楽になった。

ある方がこんなふうに言ってくださって、何だかとても心に響く言葉だと思いました。

あなたに、という言葉で、日常に埋れた自分を救い出してもらったような気分になれたのかもしれません。

また、気が楽になった、という言葉も、私の言葉が彼女の胸に届いたように感じられて、何とも言えず、うれしかったです。

胸のつかえが取れた。肩の荷が降りた。

身体から発せられる言葉は、相手の心にすっと入っていきます。

メールであっても、心の距離が近く感じられるのは、身体感覚で感じ取れる気持ちがあるためでしょう。

言語学者のヴィトゲンシュタインは、相手が「歯が痛い」と言ったとき、なぜ他の人はその人の痛みがわかるのかということを、考え続けた人です。

ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)

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彼の家系には、優秀な人が多かったのですが、同時に自殺者も多く、ヴィトゲンシュタイン自身は、癌により65歳で亡くなりました。

言葉や思考が優位になりすぎて、身体に還ることがおろそかになった結果、世界が孕む矛盾に耐えきれなくなってしまうことがあります。

身体の感覚に還ることを意識しながら生活するようになると、矛盾や想定できないことへの耐性がついてきます。

呼吸入門 (角川文庫)

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水のようにしなやかに、内外の変化になじむようにして生きていくことができるようになります。

柳の枝のように、強い風に煽られても、折れずにいられます。

もしも、感情が荒波のようにうねっても、身体がしっかりとその荒波を受け止めてくれるようになるのです。

いろんな感情を感じるたびに思います。

身体という器があって初めて、私は安全に感情と向き合っていけるのだということを。

感情の暴走に太刀打ちできないと感じたら、それは、身体をおろそかにしているというサインなのかもしれません。